明治安田生命保険、竹中工務店、三協立山、シンワ、HARITA、豊栄金属の6社は4月23日、解体建物から発生するアルミ建材の水平リサイクル実現に向けた実証事業を開始したことを発表した。本取り組みは、竹中工務店が提唱する「サーキュラーデザインビルド」のコンセプトに基づき、解体現場において発生する建材を再び建材として活用する資源循環の試みだ。
「サーキュラーデザインビルド」は、スクラップ&ビルドに依存しない循環型建築の指針であり、「つくる循環」「つかう循環」「つなぐ循環」の三本柱を軸に、建築資源のリユース・リサイクルの最大化を図る考え方だ。
今回の事業では、明治安田が所有する建物の解体現場において、アルミ製カーテンウォールを単独で解体・分別回収する。その後、保管、管理、運搬、選別の工程を経て、製造先に高品質な原料として供給する仕組みを構築する。
アルミサッシやカーテンウォールは素材特性上、リサイクル適性が高い。しかし実際の解体現場では、敷地や工期の制約、解体工程の効率化が優先され、他資材と混在し非鉄スクラップとして一括回収されることが多かったという。また、国内で回収されたアルミ建材はしばしば国外へ流出し、国内の資源循環に活かされにくいといった課題や、スクラップから高純度アルミを取り出すにはコストも高く、資源の再活用効率の点で課題となっていた。
本実証事業では、解体・回収手法の高度化やトレーサビリティを確保する物流ルートの検討、水平リサイクルにおける課題の抽出と手法の確立に取り組む。アルミ建材の水平リサイクルを実現可能な選択肢とするため、技術的・運用的な知見の蓄積を行い、持続可能で循環的な製品という付加価値の提供を目指す。
【プレスリリース】解体建物からアルミ建材を回収し水平リサイクルを実現するための実証事業を開始
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