フリマアプリ大手の株式会社メルカリは5月7日、2025年6月期第3四半期(2024年7月1日~2025年3月31日)の連結決算を発表した。同期の連結売上収益は1,440億6,700万円(前年同期比2.3%増)、連結コア営業利益は199億8,500万円(同48.7%増)と増収大幅増益を達成した。特に第3四半期単独(2025年1月~3月)のコア営業利益は88億円(同85%増)となり、第2四半期に続き過去最高を更新した。

国内のCtoC(個人間取引)リユース市場の堅調な成長を背景に、主力のMarketplace事業が業績を牽引した。第3四半期単独のGMV(流通取引総額)は、キャンセル等を考慮後で2,923億円(前年同期比6%増)と伸長。AIや大規模言語モデル(LLM)を活用したUI/UXの刷新や、高価格帯カテゴリーの強化といったプロダクト施策が奏功した。また、スポットワークサービス「メルカリ ハロ」は3月末で加盟店手数料無料キャンペーンを終了し、4月からチャージを開始している。

Fintech事業も収益貢献を拡大した。クレジットカード「メルカード」や後払いサービス「メルペイスマート払い」の「定額払い」における債権残高が着実に増加し、第3四半期単独のコア営業利益は18億円と、前年同期の2億円の赤字から大幅な黒字転換を果たした。3月には「メルカード ゴールド」の提供も開始し、顧客ロイヤルティ向上と取扱高の最大化を目指す。

US事業は、新手数料モデルの導入効果やマーケティング費用の効率化などにより、収益性が大幅に改善した。第3四半期単独のコア営業利益は13億円(前年同期は7億円の赤字)を計上し、第3四半期累計でブレイクイーブンを達成した。GMV成長率は前年同期比でマイナス圏にあるものの、改善傾向が見られる。

メルカリは、通期の連結業績予想について、売上収益2,000億円~2,100億円、コア営業利益220億円~250億円とする期初計画を据え置いた。今後も、あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げるというグループミッションのもと、リユース市場の成長を取り込みながら、グループシナジーを活かした事業拡大を進める方針だ。

【決算短信】2025年6月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
【決算説明資料】2025年6月期 第3四半期決算説明資料
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