過去20年間で、1着あたりの衣服の着用回数は劇的に減少してきた。ファストファッションの流行と相まって、現在の消費者が平均的に購入する衣料品の量は15年前と比較して60%増加し、それらを着用する期間は半減した。クローゼットにある衣服の70%が使用されておらず、女性の33%は1着の衣料品を廃棄する前に5回しかそれを着ていないと推定されている。流通量の拡大に反して衣料品1着あたりの寿命は大幅に短くなり、結果廃棄される量が増えている現状において、不要な生産・廃棄を減らし、製品の寿命を延ばすことは業界における大きな課題となっている。
衣料品の再販やレンタルなどの循環型ビジネスモデルは、ブランドが製品の寿命を延ばすこととビジネスモデルを革新することを両立させる機会となり、ブランドにとってはより少ないリソースでより多くを実現することにつながる。また、アパレル業界全体の環境への影響を減らす効果も期待される。
Circle Economyが提供する、オンラインのガイド「サーキュラーツールボックス」は、あらゆる規模のアパレルブランドが、自身でレンタルや再販ビジネスのパイロットを1年以内で設計し立ち上げる方法をステップバイステップで解説している。ブランドに対して、必要なツールやどのようなプロセスに従いどのようなタイムラインでそれを実行するかを提示することにより、アパレルブランドが循環型のビジネスモデルを簡単に採用できることを目的としている。製品の実用的な寿命を延ばす循環型モデルに関心のあるアパレルブランドにとって、その実現に近づくチャンスになるだろう。

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和田 麻美子
フランス留学中、モードの国と呼ばれる国の人達が、持ち物を長く大切に使い多くの買い物をしないことを知り、日本(特に東京)では常に新しいモノを求める暮らし方になっていたことに気づく。 趣味のハイキングを通じ、極力ごみを出さないように暮らすことや、豊かな自然を次世代につなぐことを意識するようになり、Own less, waste less, enjoy more を心がける日々。