株式会社淺沼組は、「人間にも地球にもよい循環」をテーマにした循環型プロジェクト「GOOD CYCLE PROJECT(グッドサイクルプロジェクト)」を4月1日に開始した。

現代社会では、「いかに環境負荷を抑制し、持続可能な事業を行うか」が大きな課題となっており、SDGsに向けた取り組みだけでなく、今までの常識にとらわれずに経営方針や事業を根本的に考え直さなくてはならない時代を迎えていると同社は考える。1892年創業の総合建設会社である同社は、建設事業における環境への責任を真摯に受け止め、人間にも地球にもよい循環をつくるというリニューアル事業コンセプト「ReQuality」を発表した。4つのアクションからなるGOOD CYCLE PROJECTを通じて、同コンセプトを社会に発信するとしている。

同社が発表した各アクションの概要は、以下のとおりだ。

1.「GOOD CYCLE PRODUCT」:クラウドファンディング

クラウドファンディング(プラットフォーム:Makuake)を4月1日より開始した。第一弾は、同社名古屋支店のリニューアル工事で使用する樹齢130年の吉野杉の端材を活用した、100%自然由来の香るインテリア「ヨシノチップス(オイルを含んだウッドチップ)」だ。同時に出品された「ヨシノドロップス(アロマオイル)」はヨシノチップスと組み合わせて使えるほか、風呂や加湿器などにも使える。

(出典:株式会社淺沼組)

2.「GOOD CYCLE SERVICE」:リニューアル事業

「GOOD CYCLE SERVICE」は、ReQualityをもとに同社が長年培ってきた技術と知見を活かしたサービスだ。調査・診断から企画・設計、施工、維持管理までを一貫して支援することで、建物の寿命を延ばす。同事業では、以下の5つのGOOD CYCLEで建築の資産価値を守り、高める。

  • 安全・安心技術:リニューアルに必要な安全・安心のための技術を、大学などの研究機関と連携して開発している。最新の免震・制震補強技術で顧客の安全と資産を守る
  • イメージや機能の刷新:イメージや機能の刷新は資産価値向上のみならず、生活者・労働者・来訪者など、建物に関わるすべての人に良い影響を与える。老朽化などへの早期対応は、建物の損傷や維持コストを最小限に抑える
  • 用途変更:建物は時間がたつと流行の変化や老朽化により、建設当初の価値が失われていくため、施設に求められる新たな要求や目的に対して不足する機能を補い、価値を高める
  • 環境に配慮した技術や素材気候変動に対する建設分野の動きに年々注目が集まるなか、独自の技術や素材を研究開発し、課題解決に取り組んでいる
  • 健康科学:科学的なアプローチをもとに、環境や空間が健康に与える影響について探り、そこで過ごす人にとってより良い環境をつくる。名古屋支店のリニューアルでは、健康・快適性に配慮した建物・室内環境評価システム「WELL認証」の予備認証を取得した。築30年を経過したオフィス全体のリニューアルでの予備認証取得は国内初となる。今後は、同認証の取得に向けて取り組んでいく

3.「GOOD CYCLE BUILDING」:名古屋支店リニューアル

建築家の川島範久氏と同社設計部との共同設計で、名古屋支店をリニューアル中だ。ReQualityをもとに、GOOD CYCLE SERVICEとして提供する既存躯体・空間の有効活用の可能性を示し、建設残土をアップサイクルした版築(※)ブロックや土壁、吉野杉を活用したファサード(建築物の正面)などの技術や素材を活用するオフィスビルである。空間ヘルスケアの知見なども活用し、人間にも地球にもよい循環を追求している。なお、2021年10月に竣工する予定だ。

左:リニューアル後の外観イメージ、右:リニューアル前の外観(出典:株式会社淺沼組)

4.「GOOD CYCLE TALK」:オウンドメディア開設

同社社員やプロジェクトメンバーが、GOOD CYCLEの実践者を取材しながら、よい循環とは何かを考える。組織や業種の枠を超えてさまざまな人や業界と共に、人間にも地球にもよい循環について探求する連載で、5月1日より公開する。

今後、同社は刻一刻と変化する社会的要請を的確に捉えて技術の探究を積み重ね、事業の発展を通じて建設業の使命と役割を果たすべく、コンプライアンスを徹底し、CSRを常に意識して事業を展開していく構えだ。

※ 版築:土を突き固めて土壁を構築する工法

【プレスリリース】持続可能な建設業を目指して。人間にも地球にもよい循環を目指す淺沼組による、「GOOD CYCLE PROJECT」を4月1日から開始
【参照サイト】GOOD CYCLE PROJECT
*冒頭の画像は版築ブロック(出典:株式会社淺沼組)