ファッションと繊維産業のサーキュラーエコノミー推進機関である独circular.fashionと、 古着回収の非営利団体である独FairWertungはクローズドループ実証実験を実施し、このほど結果を公表した。
ドイツのファッションブランドおよび非営利の繊維回収・仕分け業者と共同で2021年6月から2023年3月まで実施された実証の目的は、ファッション業界にクローズドループの仕組みを適用することだ。
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和田 麻美子
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サーキュラーファッション特集
ファッションは身につける人々の心を豊かにする一方、その環境課題は年々深刻な状態に陥っています。Global Fashion Agendaの調査結果によると、世界のファッション業界では毎年9200万トンの廃棄が発生し、2030年には1億4800万トンに増えると予測されています。日本でも衣類のリユース・リペア・リサイクルの割合は約26%(2009年)で、残りは焼却されるか埋め立てられています。利用段階においては、服の平均利用回数が平均7-10回というデータ(*)があります。再生段階では、服から服へ水平リサイクルされる割合は1%にも届きません。(A New Textiles Economy – Ellen MacArthur Foundationより)ほかにも、ファッションが持続不可能な状態であることを示すデータのリストは続きます。
しかし近年、これらの課題に対し、環境に配慮することとファッション性とを両立する「サステナブルファッション」や「サーキュラーファッション」の動きが活発になりつつあります。製品の全ライフサイクル(原材料・設計・調達・製造・販売・利用・回収・再生)において、循環化を図る取り組みです。
ファッションを循環させていくこととファッション性の両立をどう図り、自然との共生を図っていくか。サーキュラーファッション特集では、さまざまなステークホルダーによるファッションの循環化をめぐる最前線の動きを追います。
*Circular Fibres Initiative analysis based on Euromonitor International Apparel & Footwear 2016 Edition (volume sales trends 2005–2015