ITを活用した女性の多様な働き方に取り組む株式会社コミュニティネットは3月29日、一般社団法人キャリアチャレンジ総合研究所と連携し、埼玉県内の幼稚園・認定こども園に環境教育プログラムの提供を開始すると発表した。この事業は「令和5年度埼玉県サーキュラーエコノミー型ビジネス創出事業費補助金」に採択され、「モノとヒトを同時に循環」させることをテーマに掲げている。

コミュニティネット社は、さいたま市浦和区を本社に2011年に設立された。教育機関向けWebサイト制作・ITシステム導入支援、サーキュラーエコノミー事業を展開している。また、キャリアチャレンジ総合研究所は2019年5月に設立、子どもの教育・保育に関する教育事業の企画運営支援およびコンサルタント業務を手掛けている。コミュニティネット代表取締役の今井房子氏が代表理事を務める。

「モノの循環」では、埼玉県内の幼稚園・認定こども園に石鹸、シャンプーなどの回収ボックスを設置。回収した容器をリサイクルし、園や学校などで使用する絵本バッグや、環境学習に活用できる商品にアップサイクルし、最終的には再回収する仕組み作りに取り組んでいる。

幼稚園・認定こども園で回収した使用済みプラスチック容器は、ユニリーバ・ジャパン株式会社の協力で、就労継続支援B型事業所に運搬され選別される。その後、破砕・洗浄、ペレット化を行い、プラスチック成形工場で植物を育てるポットに変化される。このポットは、子どもたちが植物を育てる環境教育の教材として用いられる。

2023年度は幼稚園3園の協力を得て回収ボックスを設置。今後は県内の幼稚園・認定こども園約500園にアプローチし、幼児期にサーキュラーエコノミー型環境教育を受けられるよう拡大していく。

「ヒトの循環」では、回収ボックスを設置した幼稚園・認定こども園に子どもを預けている保護者(主に女性)を対象に、リスキリングスクール「Work COM®︎Ring(ワークコムリング)」を開講。園に通っている時間に自分のキャリアを見直し、もう一度社会に戻る仕組みを作るというものだ。

同社によると、埼玉県では男性が都内で働く割合が高く、専業主婦や扶養範囲内で働く女性が多いという。同スクールでは子育てを大切にしながらキャリアを磨き、ITスキルをはじめ、マーケティングや商品開発のノウハウなど学ぶカリキュラムが設けられている。

【参照記事】「モノとヒトを同時に循環」幼稚園・認定こども園でサーキュラーエコノミー型環境教育を展開
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(※画像の出典:株式会社コミュニティネット)