九州電力株式会社と同社グループのサーキュラーパーク九州株式会社は2月16日、鹿児島県薩摩川内市と国立大学法人鹿児島大学と連携協定を結び、薩摩川内市域を中心にサーキュラーエコノミー実証事業を推進することを発表した。

また、市内にある川内発電所跡地における物流事業の検討を進めるため、続く20日に、サーキュラーパーク九州はNIPPON EXPRESSホールディングス株式会社のグループ会社である日本通運株式会社とパートナーシップ協定を締結した。

サーキュラーパーク九州は、2022年4月に廃止された九州電力の川内発電所跡地を資源循環の拠点とする「サーキュラーパーク九州」構想の実現に向け、2023年7月に九州電力株式会社と株式会社ナカダイホールディングスの共同出資で設立された。2024年4月に開始予定のリソーシング事業(企業や地域の廃棄物の再資源化)とソリューション事業(産官学のネットワークを活用した共同研究や実証実験、コンサルティングなど)を通じて、サーキュラーエコノミーと脱炭素化を推進する。

薩摩川内市、国立大学法人鹿児島大学、及び、九州電力との連携によるサーキュラーエコノミー実証事業では、同市域を中心に循環経済と脱炭素化の推進による持続可能な社会の構築を目指す。人材育成、研究・事業創出、運営人材、実証事業拠点の運営、国の補助事業の活用などの分野で4者は連携を進める計画。川内発電所跡地に整備されるサーキュラーパーク九州の施設内に、連携・協力事業の推進拠点が設置される予定だ。

また、パートナーシップ協定を締結したNIPPON EXPRESSホールディングスは、日本通運をはじめとするNXグループ(旧・日本通運グループ)を統括する持株会社。NXグループは、2037年の創立100周年に向けて、長期ビジョン「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」を掲げ、持続的な成長とステークホルダーとの共創による企業価値向上を目指している。同グループは、サステナビリティビジョン「事業を通じて世界の人々のより良い暮らしと持続可能な社会の発展を支える」に基づき、事業活動における廃棄物の削減と3R(リサイクル・リユース・リデュース)の推進、再利用可能な資材の活用や環境に配慮したサービスを提供している。

今回の協定では、(1)川内発電所跡地での資源循環をベースとした物流事業の実現、(2)循環型の物流事業のビジネススキーム創出、(3)資源循環による資源の有効活用や環境負荷低減の3分野において連携。川内発電所跡地における物流事業の事業性の確認や、サーキュラーパーク九州が同エリアで進める「資源循環の社会実装」の実現につながる循環型の物流事業の検討などを進めていく方針だ。

【プレスリリース】「薩󠄀摩川内市域を中心としたサーキュラーエコノミー実証事業の推進に向けた連携協定」を締結しました
【プレスリリース】サーキュラーパーク九州と日本通運、川内発電所跡地における物流事業の検討に係るパートナーシップ協定を締結
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(※画像の出典:薩摩川内市)