女性向け靴ブランドの企画・生産・販売を行う株式会社クロスロード(以下、クロスロード)は、日本製靴ブランド「apres(以下、アプレ)」から、環境負荷の低いレザー「レッザボタニカ」を使用した2021年春の新作婦人靴の予約販売を公式オンラインショップにて開始した。レッザボタニカを使った靴は、業界初となる。

クロスロードは、革を中心とした婦人靴の企画から販売までを約40年間手掛け、地域・社会貢献への取り組みも意欲的に行ってきた。SDGsに向けてもいち早く取り組みたいと考えていたが、業界ならではの以下の障壁があった。

  • 多種多様なパーツから構成される靴:靴は少なくとも10種類以上、多くて20種類ほどのパーツからつくられている。革や生地、プラスチックでできたヒール、それを打ち込む金属製の釘など、さまざまな種類のパーツをリサイクルしようとすると、それらを分解するだけで多大なコストと手間がかかる

実際に使われている靴のパーツ(出典:株式会社クロスロード)

  • トレンドの移り変わりが激しいレディスファッション:婦人靴は紳士靴と比較して、ソールを交換して同じデザインの靴を長年履く習慣が少ない。季節ごとに流行が大きく変化し、業界全体で大量生産・大量廃棄する状況が続いている

そんななか、クロスロードとともに東京・浅草で長く革を取り扱ってきた富田興業株式会社(以下、富田興業)が、本来食料廃棄物となるものを活用し、植物由来で環境負荷の低い革「レッザボタニカ」を開発した。リサイクルなどの仕組みづくりは時間がかかるが、まずは使う素材など、できるところから見直していくべきだとクロスロードは考え、すぐに共同開発に着手した。アプレは「上質なレザーを使い、よいものを長く愛用していただく靴」をコンセプトとしており、時代を超えて履けるようなデザインとストレスフリーで快適な履き心地を心掛けている。アプレが大切にする考えと、富田興業およびクロスロードの取り組みが合致し、レッザボタニカを使用したシューズが生まれた。

クロスロードは、同レザーシューズはレッザボタニカレザーの植物性ならではの自然でやさしく、きれいな色合いが印象的で、履き込むほど味わいが出て自分だけの一足になり、長い時間をかけて革を育てていくことも楽しめるとしている。

レースアップシューズ ¥24,750(税込)(出典:株式会社クロスロード)

植物性の素材を使うことで、天然由来の抗菌・消臭(※)機能も備えた革を実現した。暖かくなり汗ばむ時期でも靴を清潔に保ち、1年中履けるとクロスロードは発表している。

フラットシューズ ¥19,800(税込)(出典:株式会社クロスワード)

レッザボタニカについて

皮革づくりの一工程である皮の鞣(なめ)しや染色に、植物由来の副産物を再活用するプロジェクトで誕生した素材。「米のもみ殻」やワイン醸造後にできる「ぶどうの搾りかす」など、本来産業廃棄物になってしまうものを有効活用でき、植物由来の皮の鞣しを行うことで、水質汚染を減らして環境負荷を軽減する。この取り組みが高く評価され、2020年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞した。

※:一般財団法人カケンテストセンターの調査に基づく。抗菌5.7前後(2.2以上が抗菌防臭加工基準)・消臭96%以上

【プレスリリース】食料廃棄物を使ったサステナブルなレザーのレディスシューズが、「apres(アプレ)」の2021年春夏コレクションよりスタート。
【参照サイト】apres 2021年春夏コレクション 公式サイト