飲料世界大手コカ・コーラ社はこのほど、100%リサイクルペット(以下、rPET)使用ボトルを用いて、同社ブランド(コーク、ダイエットコーク、コークゼロシュガー、コカ・コーラフレーバー)の販売を米カリフォルニア州・フロリダ州・北東部の一部の州で開始した。内容量は13.2オンス(約374g)と、持ち歩きに便利なサイズとなっている。今夏には、rPETボトルを他のスパークリング飲料ブランドでも展開する。

そのほかにも同社は、以下のようにrPETボトルを展開していく予定だ。

  • 2021年2月よりカリフォルニア州・ニューヨーク州・テキサス州で、コカ・コーラブランドの100%rPETボトル(20オンス:約566g)を発売
  • 2021年3月よりカリフォルニア州・ニューヨーク州・テキサス州で、DASANIの100%rPETボトル(20オンス)を発売
  • 2021年7月よりカリフォルニア州とニューヨーク州で、smartwaterの100%rPETボトル(20オンス)を発売
  • 2021年2月よりカリフォルニア州・フロリダ州・北東部の州で、スプライトの100%rPETクリアボトル(13.2オンス)を発売。すべてのスプライトの容器包装は、2022年末までにリサイクルして新ボトルを容易に再製造できる透明なボトルに移行

(出典:コカ・コーラ社)

これらのイノベーションを組み合わせると、同社は北米全体でバージンプラスチックの使用量を2018年と比較して20%削減できる。これにより、自動車2,120台の1年間の排出量に相当する、1万トンの温室効果ガス排出量を米国で削減できると同社は発表している。

現在、同社は25以上の市場で100%rPETボトルを提供しており、2030年までにリサイクル素材50%のボトルを製造するという同社の目標「ごみのない世界」に近づいているという。同目標では、2025年までに容器包装の100%を世界的にリサイクル可能にし、2030年までに世界で販売するすべてのボトルと缶を収集してリサイクルすることを定めている。現在、同社の北米の容器包装の94%以上はリサイクル可能である。

今回販売が開始されるすべての100%rPET容器包装ラベルには、消費者の意識を高めて行動を促すために、「Recycle Me Again」というロゴが印刷されている。また同社は、リサイクル率を高め、rPETボトルを何度も使用できるようにすることを目標として、「Endlessly Refreshing」というキャンペーンを実施している。同キャンペーンでは、屋外・ラジオ・店舗内・ソーシャル/デジタル通信に加えて、タッチフリーの体験型活動でも実施しており、クローズドループリサイクルシステムと循環型経済を促進し、新ボトルの原材料の生産を目指している。

同社の北米経営部サステナビリティ担当次長兼総責任者であるアルパ・スタリア氏は、「プラスチック容器包装ごみとリサイクルに関する取り組みは、引き続き消費者・顧客・当社のシステムにとっての最重要事項です。100%rPETボトルの導入は、リサイクルが循環型経済への移行にどのように役立つかを示す大きな証拠となります。プラスチックごみを減らすためにやるべきことはまだ多くありますが、リサイクルとプラスチックボトルが新しいペットボトルになる可能性について消費者の意識を高めることは、正しい方向に向かう大きな動きだと考えています。当社の容器包装は、最も目立つ当社の広告塔です。当社はブランドの力を活用して、持続可能性の優先事項を教育・奮起・前進させています」と述べている。

【プレスリリース】Endlessly Refreshing : Coca-Cola North America Rolls Out Bottles Made from 100% Recycled PET Plastic.
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*冒頭の画像の出典:コカ・コーラ社