広島県は6月23日、「~みんなで守ろう,ミライへ。美しく恵み豊かな瀬戸内海を~2050 輝く GREEN SEA 瀬戸内ひろしま宣言」を行った。

同宣言は2050年までに新たに瀬戸内海に流出するプラスチックごみの量をゼロにすることを目標とし、海洋プラスチックごみ削減に向けた対策を強化していくため、県民および事業者と共に取り組んでいくことを目的とする。同時に、宣言実現に向けた取り組みを検討・展開するため企業・団体などを参画メンバーとするプラットフォームを設立した。

2050年における新たなプラスチックごみの海洋流出ゼロ実現に向けたイメージについて、広島県は以下のように発表した。

  • 海岸漂着量の多い主要3品目(ペットボトル、プラスチックボトル、食品包装・レジ袋)について、重点的な使用量削減対策などの仕組みを2030年までに構築する
  • 構築した使用量削減対策などの取り組みに着手し、2040年までに主要3品目の新たな流出(海岸漂着量)をゼロにする
  • 主要3品目以外のプラスチックについても取り組みを展開し、2050年までにすべてのプラスチックの新たな流出をゼロにする

プラスチックは私たちの生活に欠かせないものとなっているが、プラスチックの海洋流出による海洋環境悪化や漁業や観光への悪影響など、さまざまな問題が生じていると広島県はみている。こうした課題を解決するべく、2019年に開催されたG20大阪サミットでは2050年までに新たな海洋プラスチック汚染ゼロを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が採択され、同年5月には「プラスチック資源循環戦略」を日本政府が策定するなど、プラスチックに対する取り組みが進められている。

広島県は企業や関係する自治体などと共に、瀬戸内海の環境保全に向けた以下の取り組みを牽引し、県内外に発信していく意向だ。

  • かき養殖に由来するごみの流出防止対策
  • 海洋プラスチックごみの新たな流出ゼロを目指す仕組み構築
  • 海洋生分解性プラスチックなどの開発・普及促進
  • プラスチックに係る資源循環の促進および多様な主体と協働した海岸清掃

なお、宣言名には瀬戸内海の海色である「GREEN」と環境保全を意味する「GREEN」、「輝くひろしま」「輝く瀬戸内海(SEA)」のミライのためにみんなで美しく恵み豊かな瀬戸内海を守っていくという意味が込められた。

【プレスリリース】2050 輝く GREEN SEA 瀬戸内ひろしま宣言」について
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