八千代エンジニヤリング、MS&ADインシュアランスグループ、栗田工業株式会社、サントリーホールディングス株式会社、日本コカ・コーラ株式会社の5社は3月31日、国際的な水の持続可能性認証機関であるAlliance for Water Stewardship(AWS)とともに、新たなワーキンググループ「ジャパン・ウォータースチュワードシップ(JWS)」を3月5日に始動したことを発表した。
JWSは、国内企業に対して流域単位での責任ある水資源管理を促進し、研修や協働活動、行政との連携などを通じて水リスク対応の体制を整備することを目的としている。
背景には、日本における水道インフラの老朽化、水源涵養林の荒廃、気候変動による農作物価格の上昇といった複合的な水課題がある。こうした課題に対応するためには、産業セクターを越えた連携が求められている。AWSでは2025年から日本をウォータースチュワードシップ推進の戦略国に位置づけ、JWSをその中核的な活動拠点とする。
ウォータースチュワードシップとは、企業や団体が拠点単位で水資源の保全に取り組むだけでなく、流域の利害関係者と連携し、社会的・環境的・経済的に持続可能な水の利用を目指す行動概念である。AWSはこの考え方に基づく国際認証制度(AWS認証)を運用し、グローバルで300以上の施設が取得している。
参画各社はすでに個別に水資源管理に取り組んできた実績を持つ。たとえばサントリーは、日本企業で唯一のAWSの最高位「Platinum認証」を国内3工場で取得。栗田工業は海外流域での協働活動に参画し、MS&ADは国内流域における治水・水循環の取組を展開している。これらの実績を持つ企業同士が、今後はJWSの枠組みのもと、国内外の水リスク対策を共同で推進することになる。
AWS本部はスコットランドにあり、世界自然保護基金(WWF)やThe Nature Conservancy(TNC)などの国際NGOと企業の連携で設立された。持続可能な水利用をグローバルに推進するため、AWS認証取得を支援するほか、各国の企業・団体と連携している。
【プレスリリース】サステナブルな水の国際認証機関 Alliance for Water Stewardship(AWS)が日本での活動を強化
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