キリンホールディングス株式会社(以下、キリンホールディングス)とキリンビバレッジ株式会社(以下、キリンビバレッジ)、および株式会社ローソン(以下、ローソン)は7月15日、使用済みペットボトル容器回収の実証実験をローソン横浜新子安店で開始した。

同取り組みの目的は、両社が目指す「プラスチックが循環し続ける社会」の実現に向けたペットボトル再利用の循環促進だ。ローソン店舖にキリングループが独自開発した「ペットボトル減容回収機」を設置し、顧客にペットボトル容器の回収を促す。回収したペットボトルは、キリンビバレッジの子会社である東京キリンビバレッジサービス株式会社の自動販売機オペレーションルートを使って収集することで運搬の効率化を図り、リサイクル工場に再生ペットボトルレジンの原料として供給する。製造されたレジンは飲料メーカーに供給され、リサイクルペットボトルとして再利用される。

(出典:キリンホールディングス株式会社、キリンビバレッジ株式会社、株式会社ローソン)

両社は、顧客がペットボトルをリサイクルする利便性を向上させることで「ボトルtoボトル」の比率を引き上げ、容器収集ルートの効率化によるCO2などの環境負荷低減も目指す。2021年内は横浜市内の数店舗で実証実験を実施し、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法案」が施行される2022年内には、実証実験で得られた知見に基づいた取り組みを拡大していくことを目標としている。

回収したペットボトル5本につき「Pontaポイント」1ポイントを付与し、「ペットボトル減容回収機」設置の認知および「ペットボトル減容回収機」によるリサイクル促進につなげるとしている。Pontaポイントの受領は顧客が選択でき、受け取らない場合はペットボトル5本回収につき1円を公益社団法人国土緑化推進機構に寄付することを明らかにしている。

清涼飲料業界の業界団体である一般社団法人全国清涼飲料連合会は2021年4月、清涼飲料業界として2030年までにボトルtoボトルの比率50%を目指すことを宣言した。使用済みペットボトルを何度もペットボトルに循環させるボトルtoボトルは、資源循環を実現する理想のリサイクルだと全清飲は考えている。ボトルtoボトルへの取り組みは現在加速しており、小田急電鉄株式会社は3カ月間の実証運用を終了、兵庫県の4自治体川崎市は産官民連携の取り組みを現在実施している。こうした実証実験の結果を踏まえ、今後ボトルtoボトルの運用の最適化が検討されていくことが期待される。

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