米国に本拠を置く服飾大手・リーバイスはこのほど、中古プラットフォームを立ち上げたことを発表した。顧客は中古のリーバイスのジーンズとジャケットをオンラインで購入したり、着用済みの中古アイテムを販売してギフトカードを獲得したりといったことができるようになる。

同プラットフォームはジーンズブランドとして初となる、買取と再販のプラットフォームだ。リーバイスはこれをパイロットとして立ち上げたが、将来的に拡大していく意向だ。その仕組みは次の通りである。

  1. 顧客が再販可能な着用済みのリーバイスの製品を持ち込むと、リーバイスは15ドルから25ドルのギフトカードを顧客に提供する。ヴィンテージ品には、30ドルから35ドルのギフトカードが提供される。
  2. リーバイスはウェブ上の中古マーケットに商品を掲載し、約30ドルから100ドルで販売する。

リーバイスは同プラットフォーム実施にあたり、再販プラットフォーム運営を行うスタートアップの米・Trove社と協力。同社は、衣服洗浄と在庫処理、および注文の履行を請け負う。ジーンズの再利用と修理は、最小限のエネルギーと水が使用され、染料は使用されないという。着用済みのリーバイスのジーンズ1本を購入する場合、新品のリーバイスのジーンズ1本を購入する場合に比べて約80%のCO2排出量と700グラムの廃棄物を削減できる。このことから、同プログラムを世界的に展開すると、大きな成果が得られることが期待される。

また、使い古して再販売できないジーンズが持ち込まれた場合も、リーバイスは顧客に5ドルのギフトカードを提供し、そのアイテムをパートナーであるBlue Jeans Go Greenに受け渡す。Blue Jeans Go Greenは、非営利団体の米・Cotton Incorporatedが綿の持続可能性に対する意識を高めるために 2006年に立ち上げたデニムリサイクルプログラムだ。Blue Jeans Go Greenによって使用済みデニムは建物の断熱材にリサイクルされる。

リーバイスの上級副社長兼最高マーケティング責任者であるジェン・セイ氏は、「現在多くの消費者は、何が本当に必要で何を購入するかについて、より意識的に考えています。これが、いま再販市場が活気を帯びている理由のひとつです。現在、同市場は280億ドル(約2兆9,000億円)と推定されていますが、今後5年間で600億ドル(約6兆3,000億円)を超えると予測されています。当社は中古品を第二の資源にしたいと思っています。当プラットフォームは最初のステップで、決して最後のステップではありません」と述べている。

【参照サイト】Making Levi’s® SecondHand Second Nature For Fans
【参照サイト】Blue Jeans Go Green™
【参考レポート】2020 RESALE REPORT