北米最大級のリチウムイオン電池リサイクル会社である加Li-Cycleはこのほど、コンサルティング会社の米ビジネスインテリジェンスグループより「2021年BIGイノベーション賞」を受賞したことを発表した。BIGイノベーション賞は毎年、世界的な企業経営層などが新しいアイデアを実現している人物や組織を審査し、表彰している。

リチウムイオン電池は、産業用エネルギー貯蔵や自動車、および家庭用電気機器などに電力を供給している。貴重で限りあるリチウムイオン電池の原材料への急速に高まる需要に対応し、より適切にリサイクルするために、テクノロジーとサプライチェーンの革新が必要であるとLi-Cycleはみている。

研究・コンサルティング会社の英Circular Energy Storage(CES)は最近の調査で、リチウムイオン電池について次のように発表している。

  • 2030年までに、世界で年間200万トンを超えるリチウムイオン電池が寿命に達する
  • 2040年までに、世界の電気自動車の普及台数は5億5,900万台になると推定される
  • 2040年までに、世界のリチウムイオン電池エネルギー貯蔵設備の容量は50倍以上に急増する

上記のようなリチウムイオン電池市場の著しい成長に対して、これらの電池の寿命に関する安全で持続可能なソリューションが必要であるとLi-Cycleは考える。Li-CycleのSpoke&Hub Technologies(低コスト・安全・環境に配慮した工程)により、あらゆるタイプのリチウムイオン電池をリサイクルでき、リチウムイオン電池に含まれるリチウム・コバルト・ニッケルなど、すべてのバッテリーグレードの原材料を95%以上回収できる。

ビジネスインテリジェンスグループの最高執行責任者である Maria Jimenez氏は、「人類の進歩を助け、私たちの生活をより生産的で健康的かつ快適にするために、グローバル社会はこれまで以上にイノベーションを頼りにしています。Li-Cycleはこの活動を主導し、人類を進歩させる組織の一つです」と語っている。

Li-Cycleの最高経営責任者(CEO)であるAjay Kochhar氏は、「Li-CycleのSpoke&Hub Technologiesが認められ、2021年BIGイノベーション賞を受賞できたことをとても嬉しく思います。これは、使用済み電池をごみではなく資源にするソリューションの価値を強調する賞であり、そのことが認められて光栄です。当社の目標は、リチウムイオン電池のサプライチェーン内で真にクローズドループシステムを実現することですが、そのために努力し続けます」と述べている。

最近、同社が受賞した主な賞は以下のとおりだ。

【プレスリリース】Li-Cycle Wins 2021 BIG Innovation Award
【参照サイト】SPARK YOUR YEAR OFF WITH A WIN

冒頭の画像の出典:米ビジネスインテリジェンスグループ