株式会社LIXILはこのほど、2031年3月期のアルミリサイクル率100%達成を目指して活動を推進し、その一環として低炭素型アルミ形材「プレミアル(PremiAL)」シリーズを展開すると発表した。

第1弾として、原材料の70%にアルミリサイクル材を使用した低炭素型アルミ形材「プレミアルR70」の全国展開を開始した。カーテンウォールやビルサッシなどのビル向け建材が対象。第三者認証「エコリーフ環境ラベル※」を取得済みの同製品は、新地金使用と比較してCO2排出量を55%削減するとしている。

同社は、2050年までに事業工程と製品・サービスによるCO2排出量を実質ゼロにすることを目指している。同目標実現に向けた3つの重点領域の一つに「資源の循環利用促進」を設定し、循環型のものづくりを推進しており、2022年3月期時点でアルミの70%をリサイクルしている。

一般社団法人日本アルミニウム協会によると、世界のアルミ需要は2050年までに50%以上増加すると予測されている。新地金を製造する工程で大量の電力を消費するが、アルミ製品の原材料を新地金からリサイクル材に置き換えると、消費エネルギーとCO2排出量を97%削減できるため、アルミのリサイクル率は高い。日本におけるアルミ原料のリサイクル材使用率は現在48%で、一般社団法人日本アルミニウム協会は2050年のリサイクル材使用率の目標を75%に設定している。

今後、株式会社LIXILは「プレミアルR70」の住宅用建材・産業品での展開を計画している。同社は原材料の100%にアルミリサイクル材を使用する技術開発に成功しており、2023年秋にアルミリサイクル率100%の低炭素型アルミ形材「プレミアルR100」をビル向け建材から発売する予定だ。将来は、欧州や東南アジアをはじめとする世界展開を目指している。

需要急増が見込まれるアルミニウムにおいて、エネルギー使用とCO2排出量を大きく削減できるリサイクルの推進に向け、こうした取り組みが促進されていくことが期待される。

※ エコリーフ環境ラベル:ライフサイクルアセスメント(LCA)手法を用いて製品のライフサイクル全体の環境情報を定量的に開示する環境ラベル

【プレスリリース】脱炭素・資源循環型社会の実現に向けて、2031年3月期アルミリサイクル率100%の目標を掲げ、SCOPE3削減に大きく寄与 低炭素型アルミ形材「プレミアル(PremiAL)」シリーズを新たに展開
【参照サイト】エコリーフ環境ラベル
【参照サイト】VISION2050
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*冒頭の画像の出典:株式会社LIXIL