オンラインマーケットプレイスの株式会社メルカリ傘下の米Mercari, Inc.はこのほど、2023年度リユース調査報告書を発表した。

報告書は、第三者機関である小売分析会社の英GlobalDataとMercari, Inc.が共同作成。2023年2月に中古品の売買行動について調査し、18歳以上の米国人2500人から回答を得た。報告書の概要は、以下のとおり。

再販市場は、個人消費が急増している部門の一つだ。半数以上の米国民にとって、中古品購入は生活形態の一部になっており、購入動機は節約・サステナブルな暮らし・ユニークで面白い物を見つけたいなどである。リユース市場は、2031年までに87%増の3250億ドルに成長すると予測される。

中古品を販売する主な動機は金銭を得ることで、片付けがそれに続く。現在、米国の家庭には5598億ドルに相当する211億個の不要品があると推定される(1世帯当たり4267ドル相当、平均161個)。

消費者の19%(Z世代では消費者の31%)は、今後12カ月間以内に購買予算を増やすと回答した。Z世代の消費者の3人に1人は、中古品の購入とオンラインの再販プラットフォームに費やす時間を増やすことを計画している。

米国民の37%は、節約を目的としてより安価な製品を購入している。特にZ世代は、低価格の流行品を購入している。若年層は環境負荷削減も重視しており、Z世代とミレニアル世代の消費者の約3分の1は、今後12カ月間でサステナブルなブランドへの支出を増やすと回答した。

2022年に最も急成長した再販分野は子供服で、1年間で19%成長した。今後10年間で子供服の再販は146%増加すると推定される。2番目に急成長した分野は、紳士服だった。販売額が最も大きかった再販分野は紙の書籍で、米国の再販品消費者の58%が紙の書籍を購入している。

オンラインチャネルは最も急成長している中古品の購入経路で、2031年までに再販市場全体の56%を占めると予測される。

日本のリユース市場も成長が期待されている。2022年にリユース市場は3兆円規模に、2025年には3兆5000億円規模になるとリサイクル通信は予測しており、国もリユース市場に注目している。

今後、資源循環促進への取り組みの一つとして期待されるリユース分野におけるさまざまな主体による取り組み、および市場の展開が注目される。

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*記事中の画像の出典:株式会社メルカリ