NEC(日本電気株式会社)とNewNormDesign株式会社は2月20日、東京都の「Global CityTech Bridge」に実装パートナーとして参加し、資源循環プロジェクトの社会実装に取り組むことを発表した。
今回の実証では、NewNormDesignが展開するサステナブル建築資材のプラットフォーム「Matinno」を活用し、リサイクル拠点とリサイクル可能な材料を結びつけるネットワーキングマップを開発する。このマップにより、材料の追跡と検索を最適化し、建設業界を含む多業界において廃棄物削減と埋立量の削減を目指す。

Global CityTech Bridgeは、東京都が主催するクラスター創成事業で、都市関連技術(CityTech)のイノベーション創出と社会実装を目指している。CIC Instituteと清水建設株式会社が共同で運営し、スタートアップと大企業の連携を促進。
実装パートナーが持つ技術や資源と、スタートアップの新規アイデアを結びつけ、実証実験から事業化を支援するのが特徴だ。環境・エネルギー、建設、モビリティなど幅広い分野のプロジェクトが推進されている。英国のイノベーション創出機関の一つである Connected Places Catapult とも連携し、ロンドンをはじめとした海外大都市へのプロダクト展開支援も実施する予定だという。
NECは、自社のデジタル技術を活用し、資源循環の促進に取り組んできた。特に、生産から使用、リサイクルまで一貫した取り組みを展開し、廃棄物削減に注力している。また、再生プラスチック市場の拡大を目指す「Sustainable Plastics Initiative」にも参画。社会全体のサステナビリティトランスフォーメーションに貢献するため、新規事業の立ち上げを進めている。
NewNormDesignは、2020年に設立された建築デザイン事務所であり、持続可能な空間設計に取り組んでいる。空間デザインにとどまらず、ブランディングや機能性を考慮した長期的な視点でプロジェクトを推進している。その一環として展開する「Matinno」は、建築資材のライブラリー機能を提供し、製造過程や建設現場で発生する余剰資材の情報を共有することで、リサイクルや再利用を促進するプラットフォームである。本プラットフォームを通して、建物のライフサイクル全般におけるCO2削減を目指している。
今回の取り組みを通じて、両社は資源循環のデータ活用を進め、持続可能な経済システムの構築に貢献することを目指す方針だ。将来的には、動静脈産業間のデータ連携を推進し、再生材の利用拡大をデジタル技術で支援していく。
【プレスリリース】NECとNewNormDesign、東京都主催のグローバルイノベーションに挑戦するクラスター創成事業「 Global CityTech Bridge 」の資源循環プロジェクトに実装パートナーとして参加
【参照記事】Global CityTech Bridge
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(※画像の出典:日本電気株式会社)
