株式会社NTTデータグループ、株式会社NTTデータ及び株式会社NTT DATA, Inc.は3月10日、企業や業界間のデータ連携を支えるデータスペースの発展と社会実装を推進するため、グローバル全体で「データスペースのワンチーム」を結成したことを発表した。これまで日本や欧州などで進めてきたデータスペース構築の実績や技術・ノウハウを集約し、国際的な活動を強化する。

カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの推進には、企業間での安全なデータ共有が不可欠とされる中、データスペースは、異なる企業や業界が信頼できる環境でデータを共有し、新たな価値を創出する基盤として役割を期待されている。

日本では産業界を中心とした「DATA-EXプラットフォーム」や、経済産業省を中心とした「ウラノス・エコシステム」が、また欧州では自動車製造業を中心とした「Catena-X」などの取り組みが進められている。

国際的な相互運用性の確保が課題となる中、NTTデータグループはグローバル全体でデータスペースのワンチームを組成。従来、国・地域ごとに進められてきた企業間データ連携の取り組みを一元管理・推進し、ノウハウや技術が活用され、相互運用性が考慮されたデータスペースの社会実装とビジネス価値創出を加速させる狙いだ。

本チームは2026年までにデータスペースの専門家200名体制を構築し、企業間データ連携の加速を目指す。さらに、相互運用性に関する知見やパートナーシップを活用し、企業や業界と共に新たなビジネス市場を形成することで、2030年までに500億円規模の売上を目指している。同社は、商用サービス向けのソフトウェアコンポーネントの提供拡大に加え、国内イニシアティブや国際標準化団体との連携を進めている。

NTTデータグループはこれまでもデータスペースの社会実装を推進してきた。例えば、電動車用バッテリーのトレーサビリティ確保を目的とした「バッテリートレーサビリティプラットフォーム」の開発や、東京大学と共同での国際テストベッドを活用した実証。また、欧州では公共調達データスペースの推進にも取り組んでいる。

同社は今後、電力、ヘルスケア、金融・保険などの業界におけるデータスペースの導入を加速し、企業間データ連携のユースケースを拡大する方針だ。本チームを通じて得られる相互運用性の知見やパートナーシップを活かし、新たな市場創出を推進していく。

【プレスリリース】国・地域を超えたデータスペース協調と新ビジネス創出に向け、グローバルチームを発足
【関連記事】NTTデータ、業界横断プラットフォームの提供開始。ウラノス・エコシステムのファーストユースケースとして企業間で連携
【関連記事】NTTデータ、バッテリートレーサビリティプラットフォーム構築を目指す。欧州電池規則に対応へ
【関連記事】NRI開発のEDCコネクタ、Catena-Xの認定取得。データ主権に基づくデータ連携を支援