小田急電鉄株式会社は9月28日、サーキュラーエコノミー(循環型経済)先進国であるフィンランドの公的イノベーション・ファンド「Sitra(シトラ)」が選定する「世界を変えるサーキュラーエコノミーソリューション」に日本企業・団体として初選出されたと発表した。同ソリューションは、世界中のさまざまな業界でサーキュラー・エコノミーを踏まえたビジネスモデルの普及を目的に行われている。今回の選出は、小田急電鉄が神奈川県座間市で推進する「循環型コミュニティの創出」に関する取り組みが評価された。
同社は2015年度、循環型コミュニティの創出に向けて小田急線の座間駅前に立地していた築後約半世紀の社宅を、環境面への影響を考慮して賃貸住宅「ホシノタニ団地」としてリノベーション。既存施設を生かして、施設間に広場や貸農園などを配置することで居住者同士のコミュニティを創出、一般開放もしている。さらに、グループ企業の小田急不動産を中心にイベントを定期開催するなど、駅前エリアのさらなる活性化に寄与。同様の取り組みをその他のエリアでも推進中だ。
2019年度には同市と「サーキュラー・エコノミー推進に係る連携と協力に関する協定」を締結。現在、行政とともに米国ルビコン・グローバル社のテクノロジーを活用した資源物収集のスマート化に関する実証実験を行っているほか、市内小学校での「ごみの問題解決」に関するワークショップの開催などに協同している。
同社はサーキュラー・エコノミーを主要ビジネスの1つ「まちづくり事業」と親和性の高いものとして捉え、今後も沿線を中心とした自治体や企業などさまざまなパートナーと共創しながら「循環型コミュニティの創出」を推進、「持続可能で日本一暮らしやすい沿線の実現に貢献していく」としている。
シトラは2017年から毎年フィンランド国内における優良なサーキュラー・エコノミーソリューションを選定し、主催する「世界循環経済フォーラム(WCEF)」などを通じて世界に発信、ビジネスと環境の調和による真に競争力のあるソリューションの創出を啓蒙している。18年には日本の環境省と共同し、横浜で WCEF が開催された。今年はフィンランド以外の国からも広く募集され、約200件がエントリー。小田急電鉄を含む約40の事例が選定された。選定されたソリューションは9月29日、30日にオンライン開催される WCEFonlineで全世界に発信される。
※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「HEDGE GUIDE」からの転載記事となります。
【プレスリリース】当社の座間市での「循環型コミュニティの創出」の取り組みが、日本初選出!