Yper株式会社は10月21日、神奈川県相模原市が再生ポリエステル素材配合の置き配バッグOKIPPAを全国で初めて採択し、5000個を無料配付することを発表。続けて22日、愛知県一宮市が3000個を無料配付することを明らかにした。
手の平サイズに折り畳めるOKIPPAは非対面で荷物の受け取りができ、再配達受け取りが不要な簡易宅配ボックスで、環境負荷低減と配送員の負担軽減に貢献する。2018年9月の発売以来、全国15万世帯以上が利用している。
今回、両市は環境負荷低減と配送員の負担軽減、および新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的として、上記を決定した。「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」が活用される。配布されるOKIPPAは再生ポリエステル素材「RENU®(レニュー)」を30%使用した、両市それぞれのオリジナルデザインでつくられた。
相模原市オリジナルデザインのOKIPPA(提供:相模原市)
一宮市オリジナルデザインのOKIPPA(提供:Yper)
「人と自然が共生するまち~市民と築く、地域循環共生都市さがみはら~」の実現を目指す相模原市は、2020年7月にSDGs未来都市に選出された。一宮市は市独自の地球温暖化対策として2001年4月以来「エコアクション一宮」を策定し、温室効果ガス削減に取り組んできた。2020年に策定した「いちのみや気候変動対策アクションプラン2030」では、具体的な計画目標として、国や愛知県と同様の「2030年度の温室効果ガス排出量26%削減(2013年度比)」を掲げている。
相模原市で利用されるOKIPPAバッグ5000個、および一宮市で利用される3000個の効果は以下のとおりである。(数値は相模原市、一宮市の順で記載)
再配達削減効果
- CO2排出削減量:26トン/年、16トン/年
- 再配達に費やす労働時間削減:5万時間/年、3万時間/年
- 新規荷物受け入れに代替可能な人件費:7415万円/年、4450万円/年(時給1500円換算)
再生素材利用効果
- 廃棄物再利用量:2123枚、1274枚(Tシャツ1枚200g換算)
- 削減できる水の量:772本、463本(ペットボトル500ml)
OKIPPAに利用されるRENU®️の循環イメージ(提供:伊藤忠商事)
Yperは今後、創業以来のビジョンである再配達率を5%までに削減することを目指して、さまざまな企業と共同で事業を進めていく意向を発表。OKIPPAのますますの利用拡大が期待される。
両市におけるOKIPPA配布の概要は以下である。
相模原市
- 対象者:相模原市内在住の世帯、抽選にて決定
- 応募期間:第1期2020年11月1日~11月30日、第2期2020年12月1日~12月31日
- 応募申込ページ:http://bit.ly/OKIPPA201021
- 配付数:5000個
- 発送予定:12月中旬より順次
※後日、当選者へ荷物受け取りに関する意識変化などに関するアンケートを実施予定。
一宮市
- 対象者:一宮市内在住で、アンケートに協力できる世帯
- 応募期間:2020年11月1日~12月21日
- 応募方法:電子申請、または申込用紙を郵送
- 詳細 :一宮市HPでID番号「1036504」を入力
- 募集数:3000世帯(応募多数の場合抽選)
- 発送予定:2021年1月下旬
OKIPPAについて
OKIPPAは、Yperが世界3大デザイン賞を受賞したエコバッグ「Shupatto」を開発した生活雑貨メーカー株式会社マーナと共同開発した。耐荷重は13kgで玄関ドアノブに簡単に取り付けられ、サイズは使用時が約70cm×66cm(容量57L)で、折り畳むと約13cm四方(厚さ5cm)のコンパクトな手の平サイズになる。盗難や個人情報漏洩対策として、2種の鍵(ドアノブ専用ロックとシリンダー式南京錠の内鍵)を採用しており、専用アプリを使用すると盗難補償保険に加入でき、荷物通知も受け取れる。
【プレスリリース】全国で初めて再生ポリエステル素材を使用した簡易型宅配ボックス(OKIPPA)を相模原市が採択
【プレスリリース】再生ポリエステル素材配合の置き配バッグOKIPPAを一宮市が3,000部無料配付
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