一般社団法人プラスチック循環利用協会は12月24日、PETボトルリサイクル推進協議会が2024年11月に公表した「PETボトルリサイクル年次報告書2024」について概要や重要箇所を紹介した。同報告書では、基準年である2004年度と比較して、2023年度の指定PETボトルの軽量化率が28.4%に達し、削減効果量は23.7万トンとなったことが示された。以下、同協会が紹介した報告書の概要や主な重要箇所。

前年度比でみると軽量化率は0.7ポイント増加しており、成形技術や充填技術の革新により容器の軽量化が進んでいることがうかがえる結果となった。特に17種の主要用途・容器サイズでは、2004年度比で2~41%の軽量化を実現しているという。清涼飲料用や酒類用の一部容器は2025年度の軽量化目標を前倒しで達成済みであり、その他の容器も目標達成へ向けた取り組みが進んでいる。

また、PETボトルの出荷量は増加傾向にあるが、軽量化の効果によりボトル重量やCO₂排出量の増加は抑制されていることも示された。2023年度の出荷本数は267億本(基準年度比1.81倍)だが、ボトル重量は59.5万トン(基準年度比1.23倍)、CO₂排出量は230万トン(基準年度比1.10倍)とほぼ横ばいだ。

リサイクル率は2023年度で85.0%に達し、2025年度目標である「85%以上維持」を既に達成。日本のリサイクル率は引き続き世界最高水準を維持していることがうかがえた。また、国内向けの再生PET樹脂の利用状況についても調査が行われ、調査を実施した39.2万トンのうち、主にボトルtoボトル(B to B)リサイクルやシート、繊維用途に利用されていることが判明。なかでも、ボトルtoボトルでは21.5万トンが使用された。

PETボトルのリユースに関しては、同報告書では安全性や環境負荷の観点から引き続き難しいと結論づけられている。これに対し、PETボトルリサイクル推進協議会は2030年度までにPETボトルの100%有効利用を目指す目標を掲げており、2023年度の有効利用率は、リサイクル量と熱回収量を含めて98.6%だったという。

さらに、同報告書では環境負荷削減効果についても評価。「リサイクル・再利用あり」のPETボトルの場合、資源採掘から生産・利用・回収・リサイクル・再利用にいたるまでのCO₂総排出量は177万トンで、「リサイクル・再利用なし」の場合に比べ約45%の削減効果があると評価された。

PETボトルリサイクル推進協議会は、3R(リデュース・リユース・リサイクル)推進に向けた自主行動計画2025の実施を進め、持続可能なPETボトル循環実現を目指している。

【参考記事】2023年度、リデュース率28.4%、リサイクル率85.0%に ―PETボトルリサイクル推進協議会―
【参照記事】PETボトルリサイクル 年次報告書 2024年度版
【関連記事】JEPLAN、AxensらとRewind® PETケミカルリサイクルの商用展開を発表
【関連記事】サーキュラーペット津山工場が竣工、大規模リサイクルPET樹脂生産拠点として今春本格稼働
【関連記事】コカ・コーラ、北米の自社ブランド「DASANI」ボトルに100%再生PETを採用