レコテック株式会社(以下、レコテック)はこのほど、2019年12月に開発したサーキュラーエコノミーへの移行実現を目的とする「GOMiCO」と「Material Pool System」を統合し、新たな資源循環プラットフォーム「POOL」を発表した。

製造業者にポストコンシューマー材料(PCR材)を供給する仕組みを構築するべく、GOMiCOとMaterial Pool Systemを活用し、2019年より取り組んできた福岡市・川崎市・東京都丸の内エリアでのプラスチック資源循環実証では計約4トン以上のプラスチック資源を取り扱ってきたとしている。実証から得られた知見を元に、新たに以下の機能を追加したと公表した。

  • 物流効率の最適化:複数の業種・業態の企業が相乗りし、エリア単位で都市資源情報を把握することで、物流効率を最適化し持続可能なコストを実現する
  • PCR材のトレーサビリティ情報を確立:ごみ発生から運搬・リサイクルの全過程で情報連携を図り、資源の発生場所やリサイクル工程を追跡できる
  • トレーサビリティが確保されたPOOL樹脂を提供:トレーサビリティ確保により、POOL樹脂(POOLシステムを活用して製造したPCR材)を提供できる

プレイヤー間の情報連携

アパレルの包装資材や詰め替えパウチなどの廃プラスチックの回収・リサイクルは、安全衛生面また品質管理面からも大変難しく、コストもかかることから継続的活用が簡単ではないのが現状で、PCR材の有効活用はプラスチック問題解決のための重要課題であるとレコテックは認識している。特にプラスチック資源を扱う製造業者は、PCR材を自社製品に一定量活用しなければ課税対象になるなど、国際社会からの要請が強まり、PCR材を安定した品質と持続可能なコストで供給できる仕組みが求められているとレコテックはみている。

今後の展開について、レコテックは以下を発表した。

  • 2024年度に年間2万トン以上のPCR材を供給することを目指し、2021年11月より東京都全域にプラスチック回収拠点を拡大する
  • 2022年から福岡・川崎をはじめとした複数都市に回収拠点を拡大し、全国展開を目指す
  • 2021年度中にPOOL樹脂の販売を開始する
  • 資源の対象を拡大し、プラスチック資源だけでなく、有機性残さ・鉄・非鉄などの循環にも取り組む
  • 事業拡大を通して得られた知見を元に、ブロックチェーンとの連携によるカーボンクレジットの発行やAIによる資源発生予測機能の実装など、更なる開発を進める

PCR材のPOOL樹脂

現在プラスチックのトレーサビリティ確保などのDX促進を目的とした取り組みが多く実施されているなか、これまでさまざまな組織と協働してきた同社の取り組みは、循環経済パートナーシップが2021年9月に発行した「注目事例集2021」で紹介された。7つの注目分野のなかの「プラスチック循環のための連携」の分野で、双日株式会社・日商エレクトロニクス株式会社・NTTコミュニケーションズ株式会社と現在共同で進めている「再生資源循環プラットフォーム」が評価された。同プラットフォームには、POOLの元となったGOMiCOとMaterial Pool Systemが使用されている。

レコテックは今後、使い捨てられている多くのプラスチックをPCR材として製品に戻すべく、POOLを活用して製造業者に供給するための資源循環を設計していきたい考えだ。

【プレスリリース】資源循環プラットフォーム”POOL”を新たにローンチしました。
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*記事中の画像の出典:レコテック株式会社