双日株式会社とレコテック株式会社、日商エレクトロニクス株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社はこのほど、「再生資源循環プラットフォーム」の実証を開始することを発表した。同プラットフォームは、これまで廃棄されていたプラスチックなどの再生資源を見える化して需給者間で売買する場を創出し、サーキュラーエコノミー実現を推進する基盤であるとしている。

4社が考える同プラットフォームの主な特長は、以下のとおりだ。

1.再生資源の見える化

参加企業が排出する再生資源の量・種類・場所をリアルタイムで見える化し、データを蓄積・分析する。これは、レコテックが開発する再生資源分析プラットフォーム「Material Pool System」と、NTTコミュニケーションズが提供する再生資源関連データを収集・蓄積・分析するプラットフォーム「Smart Data Platform」を組み合わせることで可能となる。こうした取り組みにより、需給管理や再生資源の発生量予測ができ、安定した需給の実現に貢献する

2.再生資源の売買や関連業務の受発注

再生資源を売買したい企業をマッチングさせる機能を提供し、再生資源の有効活用を実現する。将来的には再生資源の輸送など、関連業務を受発注できる機能を提供する予定だ。これにより、物流業者やリサイクル業者などのあらゆる参加企業の新たな事業創出に貢献する

3.参加企業の評価

参加取引企業を評価する機能を提供するため、高評価の企業と売買することや、低評価の企業と取引しないことなどが可能である

再生資源循環プラットフォームのイメージ(出典:双日、レコテック、日商エレクトロニクス、NTTコミュニケーションズ)

4社は同実証のパートナー企業を募り、サーキュラーエコノミー実現に向けた同プラットフォームの有効性を検証する。また、同プラットフォームの継続的なユーザーインターフェース(以下、UI)とユーザーエクスペリエンス(以下、UX)の改善や、再生資源の品質保証機能と最適な物流経路提示機能の提供なども検討しており、あらゆるパートナー企業が価値を実感できるプラットフォームを目指す構えだ。

実証期間は2021年4月から2022年3月で、実証地域は東京都をはじめとするいくつかの地域を予定している。4社の役割とパートナー企業例は、以下のとおりだ。

双日

  • 同プラットフォームを利用するパートナー企業の誘致
  • 同プラットフォームの事業化に向けた支援
  • UX向上に向けたパートナー企業への聴き取り調査と検証

レコテック

  • Material Pool Systemと廃棄物可視化アプリ「GOMiCO」の提供
  • UX向上に向けたパートナー企業への聴き取り調査と検証
  • 静脈業界のネットワークを活かした各種実証事業の企画・提案

日商エレクトロニクス

  • プラットフォームやアプリケーションなどのシステムの開発・企画・提案
  • UI向上に向けたパートナー企業への聴き取り調査と検証
  • サービス品質向上に役立つ外部パートナー企業の調査・誘致

NTTコミュニケーションズ

  • Smart Data Platformの提供
  • 収集データの分析

パートナー企業例

  • 再生資源の供給企業:デベロッパー・商業施設・アパレル関係・小売企業など
  • 再生資源の需要企業:消費財メーカー・印刷会社・食品企業など

同実証の結果を踏まえ、4社は2022年度内に同プラットフォームの事業化を目指すとしている。また、同プラットフォームの運営・管理と、製造業以外の新分野での活用に関する企画・立案を主な目的としたジョイントベンチャーを数年内で設立することを目指し、4社間で検討する意向だ。

【プレスリリース】プラスチックなどの再生資源を需給者間で有効活用する仕組みを提供しサーキュラーエコノミーの実現を推進する基盤「再生資源循環プラットフォーム」の実証を開始
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