株式会社ブリヂストン、株式会社ENEOSマテリアル、日揮ホールディングス株式会社の3社は2月5日、植物資源由来の合成ゴムを使用したタイヤの商業化に向けた連携を強化することを発表した。合成ゴムの原料となるブタジエンは、通常石油由来のナフサを熱分解した際に副産物として生産されている。今回の取り組みでは、バイオエタノールを基にしたバイオブタジエンを製造し、合成ゴムとしてタイヤに活用する。
3社は2022年から市場調査や技術検討を進めており、2024年7月には、ENEOSマテリアルと日揮HDが参画する「木質等の未利用資源を活用したバイオものづくりエコシステム構築事業」がNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「バイオものづくり革命推進事業」に採択された。
この採択を受け、3社はバイオブタジエンの製造、合成ゴムの製造、タイヤ開発といった、植物資源由来の合成ゴムを使用したタイヤの商業化に向けた各プロセスを加速させる。
本プロジェクトの役割分担として、ブリヂストンは植物資源由来の合成ゴムを使用したタイヤの開発を担い、ENEOSマテリアルはバイオブタジエンおよび合成ゴムの製造を担当する。日揮HDはバイオブタジエン製造のプロセスエンジニアリングと触媒開発を手がける。
2030年代前半の商業化を目指し、2028年までにパイロット装置を用いた技術実証を開始するほか、サプライチェーン構築に向けた検討や、同タイヤの社会価値・顧客価値の検証を進める計画だ。
この取り組みは、原料のサステナビリティ向上や、ブタジエン供給の安定化に貢献すると期待されている。また、植物資源由来の合成ゴムを採用することで、タイヤの廃棄やリサイクル時のCO2排出削減にも寄与する狙いだ。
【プレスリリース】植物資源由来の合成ゴムを使用したタイヤの商業化に向けた3社連携を加速
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(※画像の出典:株式会社ブリヂストン)
