レコテック株式会社は11月29日、玉川髙島屋ショッピングセンター(玉川髙島屋S・C)のごみ置き場に廃棄物計量管理システム「pool」を導入し、次世代型リサイクルステーションとして全面的にリニューアルしたことを発表した。本プロジェクトは「透明性」をコンセプトに掲げ、ごみ置き場をごみの終着点ではなく、サーキュラーエコノミー実現に向けた資源循環の出発点として位置づけている。

同社が開発した「pool」は、廃棄物管理の効率化と透明性向上を実現するためのシステムである。シンプルな操作性に加え、ICカードによるテナントの識別機能や、計量器との自動連携により、計量ミスや手作業の負担を軽減。また、電子マニフェスト管理を完全に自動化し、法令遵守のための作業時間を大幅に削減するという。

同システムの導入により、玉川髙島屋S・Cでは、これまで月9時間以上かかっていた廃棄物管理業務が4時間に短縮。本部アカウントへの報告の自動化や、300以上のテナントのデータ収集や請求管理の効率化を行った。

また、廃棄量、リサイクル率、CO2排出量、処理コストなどのデータをリアルタイムで可視化し、戦略的な環境施策の立案を支援。マテリアルフローの可視化機能も備え、リサイクルプロセスが具体的に示される。テナント専用のダッシュボードを通して、自社の取り組み状況や業態別のリサイクル別ランキングを可視化することで、テナントの環境意識向上や行動変容を促進するという。

pool のテナント専用ダッシュボード

玉川髙島屋S・CはSDGsを意識した取り組みを継続しており、リニューアルを通じて施設を「循環型社会のターミナル」と位置づける方針を示している。

レコテックは、廃棄物の計量管理だけでなく、poolを通して企業間のデータ連携を強化することで、廃棄物回収の効率化やコスト削減を目指している。例えば、商業施設での衣類用カバーの回収・リサイクルスキームでは、動静脈一体物流の仕組みを活用し、従来焼却処分されていたプラスチック資源を再生材として活用するモデルを確立した。

同社は、玉川髙島屋S・Cでの取り組みを先行事例とし、資源循環の取り組みを他の商業施設にも広げていく方針だ。

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(※画像の出典:レコテック株式会社)