株式会社髙島屋は、環境に配慮した循環型商品「再生し続ける服。」の販売・回収を6月2日より開始した。クリエイターズブランドと共同制作した約60アイテムを髙島屋各店・タカシマヤファッションスクエア髙島屋オンラインストアにて販売し、使用後に不要になった際は販売店舗の「お買い上げ売り場」にて回収する。

サステナブルな循環型社会の実現を目指す取り組みとして同社は「Depart de Loop(デパート デ ループ)」を開始し、その一環でBRING(ブリング)と連携して循環型ものづくりを始めるとしている。再生繊維(再生ポリエステル)を使った服を販売し、顧客が長く使用した後に回収した服を繊維原料に再資源化することで、何度も新しい服に生まれ変わらせる考えだ。

「販売」「回収」「再生」を繰り返す循環型商品として、商品にはオリジナルの縫込みタグをつけている。

今回販売する循環型商品にはサステナブルなTシャツをはじめ、紳士服・婦人服・子供服・リビング用品などがある。同Tシャツにおいては、再生ポリエステル糸(BRING Material、ブリングマテリアル)100%のBRING Tシャツを基本に、サステナブルな社会に向けたクリエイターがそれぞれの思いをデザインで表現したとしている。BRING Materialを使った循環型ウェアは、技術の進歩により速乾性などのポリエステルの機能性はそのままに、柔らかな肌触りや快適な着心地も実現したとみている。

同社が発表した商品例と特徴は、以下のとおりだ。

muller of yoshiokubo

  • 平和の象徴といわれるハトのプリントで、サステナブルな世界への思いを表現
  • 価格:11,000円(レディス)、8,250円(キッズ)(税込)

デニムスタイルラボ(プルオーバー、レディス)

  • 秋口まで長く活躍する半袖ニット。カーディガンとアンサンブルで楽しめる
  • 価格:12,100円(税込)

MAURIZIO BALDASSARI(メンズ)

  • カジュアルなセットアップスーツで、ジャケットはリバーシブルになっている。パンツはウエストがゴム紐仕様のため、一日中快適
  • 価格:ジャケット64,900円、パンツ31,900円、長袖カットソー16,500円(税込)

髙島屋新宿店・大阪店にて「ファッションで考えるサステナブルな未来」をテーマとしてサステナブルなTシャツが一堂にそろう「POP UP SHOP」と「衣料品回収キャンペーン」を開催することも同社は発表した。概要は以下のとおりだ。

  • 期間:6月2日(水)〜6月15日(火)
  • 場所:新宿髙島屋1階 ザ・メインスクエア/大阪髙島屋3階 ローズパティオ
  • 回収対象:不要になった衣料品(素材やブランドなど不問。髙島屋での購入品に限らず回収)
  • 回収後の流れ:BRINGのリサイクルシステムを活用し、資源としてリサイクルする。ポリエステルは再度ポリエステル製品(樹脂・糸・生地・服)に再生し、まだ着られる服は寄付・再利用する。ポリエステル以外の原料も可能な限り資源に再生する。衣料品回収に協力した顧客には、デパート デ ループの商品に使用できる500円クーポンを配布する

BRING

日本環境設計株式会社が企画運営し、衣類リサイクルに取り組むブランド。独自技術により、回収した衣類や繊維製品のポリエステル繊維を再生ポリエステル原料に変えて新しい服に再生する。廃棄繊維を減らし、限られた資源の有効活用に貢献していると株式会社髙島屋は認識している。公益財団法人日本デザイン振興会が運営するGOOD DESIGN AWARD 2020で、グッドデザイン金賞を受賞した。

BRING Material

BRINGのサプライチェーンでつくられた原料・糸・生地・最終製品を素材として使用する場合に表示される商標。アパレル製品をつくる際に発生する残反や残糸、顧客が提供した古着などを原料にして再生したポリエステルである。

同社はこれまでもBRINGとの取り組みを推進してきた。2019年9月、髙島屋各店の婦人ブラックフォーマル売場にて「BRING」回収キャンペーンを実施し、全店で726着のフォーマルウェアを回収した。回収した洋服は日本環境設計株式会社の工場で再生し、リサイクルプロジェクト「BRING」を通じて服のポリエステル材料やジェット燃料、バイオエタノールなどにリサイクル・再利用されている。

【プレスリリース】髙島屋のサステナブルな取り組み、循環型のものづくり「再生し続ける服。」環境に配慮した循環型商品の販売・回収をスタート
【参照サイト】髙島屋 環境活動
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*記事中の画像の出典:株式会社髙島屋