環境配慮型素材の開発や製品の製造を手掛ける株式会社TBMは、1月24日、再生材や再生原料の調達を支援するプラットフォーム「Maar 再生材調達」の提供を開始した。同プラットフォームには、デジタルプロダクトパスポート(Digital Product Passport 、以下DPP)システムと、RadarLab(レーダーラボ)株式会社が提供するMSPシステム(再生材データベース)が活用されている。トレーサビリティを確保した再生材、再生材利用製品の普及に加え、トレーサビリティ情報や、再生材利用率、温室効果ガス排出量など、EUのエコデザイン規則案に求められるDPPに適応した事項の可視化を目指す。

DPPとは、個別の商品に関する原材料調達からリサイクルに至るまで、ライフサイクル全体にアクセスできる電子的な記録を指す。再生材含有率、温室効果ガス排出量、使用材料、廃棄方法、トレーサビリティ情報など、製品とサプライチェーンに関するデータを収集し、バリューチェーン全体で共有することで、すべてのステークホルダーが環境性を理解したうえで製品や材料を購入することが目的だ。

今回リリースされた「Maar 再生材調達」は、再生材を利用して製品を製造する企業と再生材を販売する企業が、売買したい再生材の要求事項データを登録。TBM社が再生材の各取引をサポートすることで、再生材取引の高確度のマッチングに取り組む。

また、再生材を利用して製品を製造する製品・成形メーカー等と、廃プラ排出企業、再生材を販売するリサイクラーやコンパウンダー等の企業が、再生材売買を機に情報開示を行うことで、DPPに必要な情報が同プラットフォームに集約される。トレーサビリティを確保した製品作りと循環配慮設計に基づく製品の購買の促進につなげていく狙いだ。

DPP情報ページ

同社によると、再生材の購入企業のメリットは、再生材調達のQCD(品質・コスト・納期)の改善、再生材調達の業務効率化、トレーサビリティ・DPP環境対応の訴求など。一方、販売企業のメリットとしては、販路の拡大と販売量の安定、再生材市場の情報提供、再生材の付加価値向上等が挙げられる。「Maar 再生材調達」の提供により、トレーサビリティを確保した再生材、再生材利用製品の普及、拡大を目指す。

【プレスリリース】TBM、デジタルプロダクトパスポートに適応した再生材調達を支援するプラットフォーム「Maar 再生材調達」の提供を開始
【参照記事】Maar 再生材調達
【関連記事】バッテリーパスポートコンソーシアム、コンテンツガイダンス最新版を公開。EU電池規則を反映
【関連記事】来たるデジタルプロダクトパスポート時代を担うCirculor、バッテリーパスポートの本質を語る
【関連記事】ナカダイHDとサトーHD、資源循環に向けたトレーサビリティシステム構築で協業開始
【関連記事】エイブリィ・デニソン、デジタル製品パスポート・アズアサービスを提供開始
※画像の出展:株式会社TBM