京阪グループのホテル「THE THOUSAND KYOTO(ザ・サウザンド キョウト)」はこのほど、タイガー魔法瓶株式会社(以下、タイガー魔法瓶)と共同で、使用済みステンレス製ボトルの回収と宿泊客へのオリジナルボトルの貸し出しを開始した。
2021年、タイガー魔法瓶は他社製品を含む使用済みステンレス製ボトルの回収・再資源化の取り組みを京都府亀岡市と開始した。同社は2020年より、「NO・紛争鉱物」「NO・フッ素コート」「NO・丸投げ生産」「NO・プラスチックごみ」の「4つの約束」を掲げ、人権・健康・環境の課題に取り組んでいる。
京阪グループは循環型社会の実現を目指すライフスタイルを提案するプロジェクト「BIOSTYLE PROJECT」を推進している。THE THOUSAND KYOTOでもプラスチック製アメニティの設置をやめるなど、環境負荷軽減に向けて取り組んでいる。今回、京阪グループがタイガー魔法瓶の理念・取り組みに共感したことで、使用済みステンレス製ボトルの回収と宿泊客へのオリジナルボトルの貸し出しの共同実施が決定した。
使用済みステンレス製ボトルの回収
タイガー魔法瓶の取り組み「使用済みステンレス製ボトルの回収と再資源化」に、THE THOUSAND KYOTOが回収拠点として参画する。同取り組みにおける京都市内の初の回収拠点となり、宿泊施設としての参画も国内初となる。
同取り組みでは、ホテル利用客のみでなく、すべての人が家庭で不要となった他社製品を含むステンレス製ボトルをホテルに持参して従業員に渡せる。回収したステンレス製ボトルは、リサイクル専門業者へ集約し、リサイクル原料から再生ステンレス材および再生樹脂製品を生産する。再生ステンレス材は新たな製品に、再生樹脂製品はタイガー魔法瓶の生産工場で活用することで、再資源化モデルの構築を目指す。
<再資源化モデル イメージ図>(出典:京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社)
宿泊者へオリジナルボトルの貸し出し
脱プラスチックの新たな取り組みとして、ホテル独自デザインのタイガー魔法瓶ステンレス製ボトル(容量500ml)を宿泊客に無料で貸し出すサービスを開始した。滞在中の観光時などに利用してもらうべく、従業員が貸し出しボトルに水か白湯を入れて宿泊客に渡す。ホテル内のカフェ&バーに貸し出しボトルを持参すると、テイクアウトコーヒー・紅茶がボトルに注がれて提供される(有料)。
京都駅から徒歩2分という好立地のホテルTHE THOUSAND KYOTOが使用済みステンレス製ボトルの回収を開始することで、多くの人が同取り組みに参加し、資源循環が加速されることが期待される。そして、宿泊者へのオリジナルボトルの貸し出しは斬新な試みとなる。多くのホテルが傘を宿泊客に貸し出すサービスを提供するなか、オリジナルボトルの貸し出しは今後、傘の貸し出しに続く新しいサービスとして広く展開されていくかもしれない。容器のリユースを通じて資源の有効利用を目指すこの2つの新たな取り組みの今後が注目される。
そのほかにも、京阪グループは以下のようなSDGsの取り組みを展開している。
- 都市養蜂:京都のホテル初(京阪グループ調べ)となる屋上での都市養蜂。緑化促進・採れたはちみつの商品展開・自社ホテルレストランでの提供などを通じて、地産地消による地域活性化を目指している
- 経済産業省「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選定:2020年3月、京阪グループは経済産業大臣表彰を受けた。「働き方改革」を中心に据え、特に「障がい者雇用」において障がいがある人とない人が共に働くことで互いの自立性や創発性の向上が成果として評価された
【プレスリリース】京都市内初、ご家庭で不要になったステンレス製ボトルの回収をスタート THE THOUSAND KYOTO がタイガー魔法瓶株式会社とコラボレーション
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*冒頭の画像の出典:京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社