東急不動産株式会社はこのほど、東京都渋谷区代官山町において複合施設「Forestgate Daikanyama」を2023年10月下旬に開業予定であると発表した。
複合施設は、MAIN棟とTENOHA棟の2棟で構成される。MAIN棟は「職・住・遊近接の新しい生活形態」および「グリーン・サステナブルや食をはじめとしたさまざまな人と事業を育むこと」を目指し、賃貸住宅・シェアオフィス・商業施設から成る。TENOHA棟はカフェとイベントスペースで構成され、サーキュラーエコノミー活動を展開する事業者や行政と連携し、地域と都市をつなぐサステナブル活動拠点として多様な体験を提供することを目指す。サーキュラーエコノミー実現に向け、消費者にサステナブルな取り組みへの接点を提供しながら、さまざまなステークホルダーと連携していく意向だ。
TENOHA棟は木造2階建てで、東急不動産ホールディングス株式会社の保全対象森林と岡山県西粟倉村の間伐材を構造材として使用する。「循環としての建築」を目指し、森の健康回復に貢献する森林業者と連携して劣性間伐の木材を使用するとともに、建物解体時にはすべて分解移築して再建築できる構造システムを採用する。雨水も集めて再利用し、菜園や公共スペースで活用する計画だ。
TENOHA棟
西粟倉村は『百年の森林構想』を掲げ、地域全体で森林環境の構築に取り組んでいる。株式会社エーゼログループ 西粟倉森の学校は、豊かな自然環境をもとに社会と経済が構築される『未来の里山』というビジョン実現を目指し、林業から出る木材の製材事業をはじめ、その過程で生じる木くずを農業や水産業に活用。循環から生まれる価値を体験できる場として、カフェの運用や企業研修・体験ツアーなども提供している。
東急グループは、渋谷駅を中心とする半径2.5kmの地域一帯を「Greater SHIBUYA=広域渋谷圏」と定め、都市開発の重点拠点に位置付けている。同グループの渋谷まちづくり戦略“Greater SHIBUYA2.0”では、「働く」「遊ぶ」「暮らす」の3要素の融合と、その基盤となる「デジタル」「サステナブル」に取り組むことで相乗効果を生み出し、「渋谷型都市ライフ」の実現を目指している。
森林環境の構築に貢献する木材を使用するとともに、分解可能な設計を採用した循環型の建物を有する同施設において、サーキュラーエコノミー移行に向けたさまざまな組織の連携と体験が創出されていくことが期待される。
【プレスリリース】広域渋谷圏で『職・住・遊 近接の新しいライフスタイル』を提案する新施設の名称が決定「Forestgate Daikanyama」2023年10月下旬開業
【関連記事】東急電鉄、サブスク型サービス実証実験を5月に開始。定期券保有の新付加価値を創造へ
【関連記事】東急電鉄とブックオフを含む4社、東急線施設での忘れ物のリユース実証実験を開始
【関連記事】【アーカイブ動画購入可能】「サーキュラーエコノミーはツーリズムをどう変える?~地方創生を実現する持続可能な観光の未来。ホテルの視点から考える」
【関連記事】持続可能な木材が建設資材に適する5つの理由。世界経済フォーラム・リードによる考察
*記事中の画像の出典:東急不動産株式会社