学校法人多摩美術大学は7月21日、同大学が取り組んだサーキュラーエコノミープロジェクト「すてるデザイン」を書籍として出版する。

「すてるデザイン」は、“つくる”ことで産業を⽀えてきた従来のデザインから、“すてる”を考えることで社会や産業を⽀えるデザインへ移行することを⽰す。

プロジェクトは、多摩美術⼤学 TUBを拠点として産業廃棄物に新しい価値や意味を与えることを目指し、同大学が2021年5月に企業5社と共同で立ち上げた。5社は、株式会社ナカダイ・伊藤忠リーテイルリンク株式会社・ブックオフコーポレーション株式会社・プラス株式会社・他1社。プロジェクトは、プロダクトデザイン専攻の学生の授業プログラムを中心に実施され、学生参加プログラムとして課題プログラムが教育課程に組み込まれた。製品・情報デザイン・統合デザインなどの学科横断の有志による取り組みの実施や有識者による講義の提供、イベント開催などの活動も展開された。

同書はプロジェクトを総括し、「ごみ問題をどうデザインすべきか」をテーマに、企業・団体・デザイナーなどの最先端の取り組みを紹介。廃棄を前提としない製品やシステム・サービスを概念とするサーキュラーエコノミーについて、デザインの視点から解説する。読者対象は、ものづくりに携わるすべての企業・クリエイターだ。同書は、全⽤紙にFSC.認証紙と植物油インキを使⽤している。


書籍出版にあわせて8月3日、イベント「すてるデザイン-持続可能な社会をつくるアイデア-書籍出版関連トーク」がハイブリッド開催される。著者の永井一史氏(多摩美術大学 統合デザイン学科教授)と、企画に協力した加藤佑氏(ハーチ株式会社 代表取締役)が登壇する。同書の成り立ちや「ごみ問題をどうデザインすべきか?」をテーマに、すてるを取り巻く現状や今後について考える。イベント対象者は、サステナビリティ推進・CSR・環境・IR・経営企画など、デザインの視点でサーキュラーエコノミーに取り組む人だ。

イベント「すてるデザイン-持続可能な社会をつくるアイデア- 書籍出版関連トーク」

日時:2023年8月3日(木)18:00-19:30
場所:多摩美術大学 TUB 東京都港区⾚坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F(デザインハブ内)
登壇者:永井一史氏(多摩美術大学 統合デザイン学科教授)、加藤佑氏(ハーチ株式会社 代表取締役)
開催方法:会場とオンラインのハイブリッド開催
参加方法:
<オンライン参加>無料・申込不要。多摩美術大学 TUB YouTubeチャンネルにて配信(YouTubeLIVE形式)https://www.youtube.com/channel/UCC-PL-Tb04RnMwlxxR-Dgyw
<会場参加>無料・要申込。申込はこちらから

書籍概要

書名:『すてるデザイン 持続可能な社会をつくるアイデア』
仕様:A5判正⼨(148x210mm)/ソフトカバー/192ページ(Full Color)
定価:本体2,000円+税
ISBN:978-4-7562-5764-2 C3070
発売⽇:2023年7⽉21⽇
著者:永井⼀史+多摩美術⼤学 すてるデザインプロジェクト
発売元:パイ インターナショナル
公式サイト:https://pie.co.jp/book/i/5764/

多摩美術⼤学 TUB

2021年4⽉、東京ミッドタウン・デザインハブ(所在地:東京都港区)に、デザインやアートが持つ創造性と美意識を社会とつなぐ場として開所。“まじわる・うみだす・ひらく” をコンセプトに、多摩美術⼤学のステークホルダー・企業・社会⼈と共同で、「オープンイノベーションによる新しい価値の創出」「幅広い層へのデザインやアートのプログラム提供」「学⽣作品の展⽰・発信」を実施している。
公式サイト:https://tub.tamabi.ac.jp/

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*記事中の画像の出典:多摩美術大学