エレン・マッカーサー財団はこのほど、循環型経済ソリューションを通じてプラスチック汚染を根絶するための実用的な指針を示す「アップストリーム・イノベーション:容器包装ソリューションガイド」を発表した。

同ガイドは、製品に使用される容器包装に直接あるいは間接的に影響を及ぼす全ての人を対象にしたものだ。同財団は、リサイクルのような下流段階の取り組みだけでなく、製品の設計段階でアップストリーム・イノベーションにさらに注力することで、企業が廃棄物の発生自体を抑制できると認識している。

ガイドに掲載されている情報は、以下のとおりだ。

  • マインドセット:アップストリーム・イノベーションのマインドセットの紹介
  • 3つの重要な戦略:排除・再利用・資源循環の3つの循環型経済戦略を達成するために、アップストリーム・イノベーションを適用する際の実例と助言
  • 実現:アップストリーム・イノベーションの過程全体における、支援と意思決定の方法に関する助言

テスコやウォルマート、LushやAbel&Cole(英・食品配達)などのケーススタディでは、世界中の企業がさまざまな分野において循環型経済ソリューションをどのように使用しているかを紹介している。また、アップストリーム・イノベーションのイベント開催に役立つワークショップのテンプレートなども提供している。

エレン・マッカーサー財団のイノベーションプログラム・マネージャーであるサラ・ウィングストランド氏は、「リサイクルする上でプラスチック汚染は重要な課題です。私たちは上流段階に着目し、市場に最初に投入されている製品を確認する必要があり、そうすることで廃棄物を管理するだけでなく、そもそも廃棄物を出さない設計ができます。循環型経済によって私たちは、プラスチックシステム全体を再設計して、プラスチック汚染の世界的な課題を解決できることに加え、より良い成長を遂げて、迅速かつ大規模にソリューションを生み出せるようになります。設計者や企業は移行の要であり、今回発表したガイドがその過程の手助けになることを願っています」と述べている。

同ガイドはこちらから参照できる。

【プレスリリース】New Upstream Innovation guide offers practical solutions to the plastic pollution crisis
【参照サイト】Upstream Innovation:a guide to packaging solutions
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