本記事では、オランダにて開催されたウェブフォーラム「WCEF+Climate(World Circular Economy Forum + Climate)」(世界循環経済フォーラムと気候変動に関するハイレベル会合)のプログラムの一つ「Circular Cities: Financing for a Just Circular Transition(サーキュラー都市:サーキュラーエコノミーへの公正な移行に投資する)」の様子をお届けする。
本セッションでは、都市におけるサーキュラーエコノミーへの適切かつ公正な移行に向けた金融の役割について議論された。また、サーキュラー都市に転換することで各都市・各地域にどのような利益がもたらされるのか、サーキュラー都市への移行に際して直面する壁とその克服の仕方についても話し合われた。
スピーカー:敬称略
- アンブロイス・ファヨーレ(欧州投資銀行副会長)
- アルノ・ボンテ(オランダ・ロッテルダム市副市長)
- ブルク・タンサー(持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会(ICREI)サーキュラー・デベロップメント ヘッド)
モデレーター:
- ハヤール・ヤコービ
オランダ・ロッテルダム市は、港湾地域をサーキュラーエコノミーの中心地として位置づけながら、サーキュラー都市への移行を目指している。同市にとって、サーキュラーエコノミーへの移行はどのような価値をもたらすのかー―。ロッテルダム市副市長のボンテ氏はこう述べた。
「ロッテルダム市では、サーキュラーエコノミーの実現に向けた数多くのイニシアチブが動き始めている。例えば、まだ大学生である2人の若者が起業したスタートアップFRUITLETHER ROTTERDAMでは、マーケットで売れ残った果物を耐久性のある皮状の素材に加工して革製品で活用してもらう事業を展開する。われわれはこうした企業にオフィスを提供したり、必要に応じて金融支援も行う。こうした企業は将来の雇用を創出する存在でもあり、われわれの望む方向性と一致する」
この記事は、Circular Economy Hub 会員専用記事となります。