NTTと三菱マテリアルは6月3日、再生材の利用拡大と資源循環の推進を目的とした新会社「NTTサーキュラスト」を2026年7月1日に設立すると発表した。使用済みIT機器や通信設備から回収した金属資源を再資源化し、再生材として供給するとともに、その由来や環境負荷などの情報をサプライチェーン内で共有する仕組みの構築を目指す。資本金は15億円(資本金7.5億円、資本準備金7.5億円)で、出資比率はNTTが66.6%、三菱マテリアルが33.4%。

新会社は、使用済みIT機器や通信設備の回収から再資源化、再生材の製造・販売までを一貫して担う。これにより、製品メーカーは再生材の利用状況や環境負荷に関する情報を把握・説明しやすくなるほか、排出企業も自社が排出した機器の再資源化状況や環境貢献を確認できるようになる。

背景には、再生材の利用拡大に向けた課題がある。使用済みIT機器や通信設備には銅などの有用金属が含まれているものの、回収から製品化に至る各工程で情報共有が十分ではなく、再生材の由来や持続可能性を説明することが難しかった。また、排出企業側でも、自社が排出した資源の循環状況を把握しにくいことが課題となっていた。

再生材の利用拡大や資源循環の高度化を後押しする動きは、政策面でも加速している。政府が2026年4月に公表した循環経済行動計画では、再生資源供給サプライチェーンの強靱化が重要課題に位置付けられ、2030年時点で国内生産される銅の約3割を電子基板スクラップ(E-Scrap)や銅スクラップなどの再生資源由来とする目標が掲げられている。

新会社はまず、IT機器・通信設備由来の金属資源を対象に事業を開始する。将来的には、再生材の特性情報を伝達する仕組みを、他社の再生材も扱える業界横断の共通プラットフォームへ発展させる構想だ。

NTTは、グループ内で培ったデータ流通やトレーサビリティ技術、プラットフォーム運営の知見を活用し、情報伝達の仕組みづくりを担う。一方、三菱マテリアルは、世界最大級のE-Scrap処理能力や非鉄金属リサイクルの技術を活かし、再資源化と再生材供給を担う。

今回の取り組みの特徴は、再生材の供給に加え、その由来や環境価値をサプライチェーン全体で共有する仕組みづくりに踏み込んだ点にある。近年、再生材利用の拡大が進む一方で、トレーサビリティや環境価値の証明は大きな課題となっている。

こうした仕組みは、資源循環における「モノの流れ」と「情報の流れ」を結び付け、再生材に関する情報の透明性向上につながるとみられる。今後は、この情報基盤が再生材利用の拡大や市場形成につながるかが注目される。

【プレスリリース】再生材の利用拡大と資源循環を推進する新会社「NTTサーキュラスト」の設立
【プレスリリース】再生材の利用拡大と資源循環を推進する新会社「NTTサーキュラスト」の設立
【参照記事】循環経済行動計画(案) 内閣官房
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※文中の画像はプレスリリースより引用