経団連は10月10日、東京・大手町の経団連会館で9月3日に環境委員会廃棄物・リサイクル部会を開催したことを発表した。7月30日に開かれた「循環経済に関する関係閣僚会議」では、岸田総理大臣(当時)が循環経済の国家戦略に関する政策パッケージの年内取りまとめを指示。今回の会議では、国土交通省、資源エネルギー庁、環境省から循環経済の実現に向けた課題が提起され、意見交換が行われた。

国土交通省は、港湾を核とした効率的な静脈物流システムを構築するために、物流機能と立地機能を備えた廃棄物処理とリサイクル処理の拠点となるリサイクルポート(総合静脈物流拠点港)を指定し、海上輸送で各拠点を結ぶ広域ネットワークを形成してきた。

また、近年の社会情勢やニーズの変化により、リサイクルポート施策の高度化が求められていること、脱炭素化や資源枯渇などの環境問題に対処する必要性が高まっていることから、循環経済拠点港湾(仮称)の選定を新たに推進。港湾を核とした広域的な資源循環を促進するため、具体的な施策の検討を進める方針だ。

資源エネルギー庁と環境省は、再生可能エネルギーの普及に伴う太陽光パネルの廃棄・リサイクルについて検討を進めている。固定価格買取制度(FIT)により、太陽光発電の導入が進む中、30年代後半に使用済みパネルの排出がピークを迎えると予測されている。適正な廃棄とリサイクルの仕組みを構築し、情報管理や費用確保といった課題に対応していく。

本会議の意見交換の場では、循環経済への移行に向けた制度の検討にあたって産業界との対話を重視するよう求められた。産官連携により持続可能な社会を実現するための基盤構築が加速することが期待される。

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