Biofabricateは Fashion for Good との共同レポート「バイオマテリアルの革新を理解する」を発表した。レポートでは、ファッション産業におけるバイオマテリアル(生物材料。本記事では「バイオマテリアル」と表記)の技術革新について、30を超える素材イノベーターと消費者ブランドへのインタビューと調査を通じ、ファッション業界が「バイオ」イノベーションを理解するための基礎を築く知識を総合的にまとめている。
過去5年間において、ファッション業界のバイオマテリアルに対する関心は著しく高まった。ブランドが環境や社会への影響を考慮し、また消費者がエシカル消費に関心を高める中、より持続可能な代替品への探求が、業界における技術革新を後押ししている。その背景には、気候変動、化石由来の合成繊維よりもカーボンフットプリントを抑えられる可能性、プラスチック問題への対応、ヴィーガニズムの急速な拡大、動物由来の原材料を置き換える代替品の開発を急がなければいけない状況などがある。
バイオマテリアルとは何か、という定義は依然として明確ではない。バイオファブリケーション(バイオ加工)、生合成、バイオベースの材料という用語は同じものだろうか。持続可能だろうか。それらはすべて生分解性または堆肥化可能だろうか。あるいは、自然、ヴィーガン、健康、無毒などと表現しうるものだろうか。消費者だけでなく、衣料品を提供する側のファッションブランドや素材開発メーカーにとっても、明確で統一された定義がないのが現状である。バイオが優れているとかバイオは生分解性を意味する、と捉えるのは安全ではなく、また、異なるバイオマテリアルを比較して単純に優劣をつけることもできない。バイオマテリアルに関するガイド、特にバイオ加工材料などの最新のイノベーションに関する拠り所がこれまでなかったため、このレポートではファッション業界の専門家からの洞察を得てその定義を明確にし、ブランドや開発者らに向けて共有している。
まずはレポートより、バイオマテリアルを理解する上で知っておきたい用語について紹介する。
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