オーストラリア、ニュージーランド、南太平洋諸島が、エレン・マッカーサー財団が率いる「The Plastics Pact(プラスチック協定)」ネットワークへの参加を表明した。オーストラリアの首都キャンベラで3月2日に開催された連邦政府主催ナショナルプラスチックサミットの中で、新たなオセアニアにおけるプラスチック協定、「ANZPAC Plastics Pact(大洋州プラスチック協定)」の発足が発表された。

大洋州プラスチック協定を通し、民間企業、政府、NGOらは協業してプラスチックのバリューチェーンをプラスチック廃棄・汚染ゼロのサーキュラーエコノミーに移行することを目指す。

今後、イギリスプラスチック協定を牽引するイギリスのNGO、廃棄物および資源行動プログラム(WRAP)の協力を得ながら豪州容器包装協定(Australian Pacific Covenant Organisation)が指揮をとりプログラム設計を進め、今年中の発足を目指す。

大洋州プラスチック協定は、イギリス、フランス、チリ、オランダ、南アフリカ、ポルトガル、欧州経済領域(EEA)など世界各地でプラスチック協定に参加を表明している国々に新たに名を連ね、プラスチック利用をサーキュラーエコノミーに移行するための知見や実践方法を国や地域を超えて共有する。

今後、大洋州プラスチック協定は次の目標に向けて活動を展開していく。

  • 使い捨てプラスチック包装を、リデザイン・イノベーションにより排除する
  • すべてのプラスチック包装が再利用、リサイクル、もしくは分解できるものにする
  • プラスチック包装が再利用、収集、リサイクルされる率の向上
  • プラスチック包装に占めるリサイクルされた素材の利用率の向上

なお、活動にあたってはすでにKマートやネスレ、ユニリーバなど複数の大手企業やオーストラリア食品・食料品協議会などの協議団体らも協力と支援を表明しており、さらなる企業や団体の参加を呼びかけている。今回の新たな協定発足により、世界のプラスチック対策はますます加速することになりそうだ。

【参照記事】Regional Plastics Pact for Australia, New Zealand, and the Pacific Island Nations