アサヒビール株式会社は、食べられるコップ「もぐカップ」を株式会社丸繁製菓と共同開発し、東京都内の会員型コワーキングスペースや飲食店でテスト展開を実施した。使い捨てプラスチック問題に関心が集まるなか、もぐカップを展開することで、「使い捨て容器」から「使い食べ容器」という新しい食のライフスタイルを提案している。

もぐカップは、国産のじゃがいもでん粉が原料の飲料容器だ。高温高圧で原料を焼き固めることにより耐水性が向上し、中に入れた液体が漏れにくくなるという。また、容器自体に味付けをし、飲み物や食べ物との組み合わせを楽しめるよう工夫している。容器の味はプレーン・えびせん・チョコレート、サイズはS(50ml)・M(100ml)・L(200ml)のそれぞれ3種類で、用途に合わせて幅広く展開する。アサヒビールは、同社の飲料容器に関する知見と、食べられる器「イートレイ」を展開している丸繁製菓の技術力により、今回の開発が実現したと述べた。

もぐカップ(提供:アサヒビール株式会社)

もぐカップは、都内の会員型コワーキングスペース「point 0 marunouchi(ポイントゼロ マルノウチ)」にて、11月16日~27日でテスト展開をした。このテストでは、施設の利用者にもぐカップとさまざまなドリンクの組み合わせを試してもらい、実際に使用した際の使用感や耐水性を検証。利用者から実際の感想を聞くことで、今後の取り組みの参考にしていく意向だ。

さまざまなドリンクとの組み合わせが試されるもぐカップ(提供:アサヒビール株式会社)

また11月16日から、「point 0 marunouchi」内のカフェ「BERTH COFFEE」と、天王洲の複合施設「TENNOZ Rim」内の飲食店「KITEN TOKYO」で、食べられるコップ「もぐカップ」と食べられるスプーン「PACOON(パクーン)」を使ったフードメニューのテスト販売も開始した。「PACOON」は丸繁製菓と、市役所や社員食堂の運営を行う株式会社勤労食が共同開発した食べられるスプーンだ。「BERTH COFFEE」では「全部食べられるアフォガード」、「KITEN TOKYO」では「カップまで食べられる季節のフルーツ気まぐれパフェ」を提供する。もぐカップを使用したフードメニューを試験的に提供することで、強度や使いやすさを検証し、今後の取り組みに生かしていく考えだ。

カップまで食べられる季節のフルーツ気まぐれパフェのイメージ(提供:アサヒビール株式会社)

プラスチック問題への関心がさらに高まるなか、アサヒグループは、持続可能な資源利用の実現に向けた目標「3R+Innovation」を2020年に定め、使用するプラスチックの削減に取り組んでいる。

今回、使い食べできるコップ「もぐカップ」を開発したアサヒビールは、「使い捨て」という消費行動自体を変革し、楽しみながらプラスチック削減に取り組む提案をすることにより、持続可能な社会の実現に貢献したい意向を示すとともに、同社が掲げる「楽しい生活文化の創造」を目指す。2社の共同開発で生まれた使い食べできるコップの展開が、今後の飲食業界と消費者の意識に影響を与えるか注目が集まる。

【プレスリリース】“使い捨て”容器から“使い食べ”容器への新提案 食べられるコップ「もぐカップ」開発 11月16日(月)から会員型コワーキングスペースと飲食店でテスト展開