アサヒグループホールディングス株式会社(以下、アサヒグループ)とサステナブルファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」はこのほど、次世代に向けたサステナブルなライフスタイルを提案する「UPCYCLE B」プロジェクトを共同展開することを発表した。「ビールを介した際に生まれるコミュニケーションの力」と「世代を超えて多くの人が楽しめるファッション」という日常生活に欠かせない衣食分野が連携し、環境問題と向き合っていくことを目指す。

同プロジェクトの第一弾は廃棄コーヒー豆のアップサイクルをテーマとして、廃棄物削減・有効活用を推進しコーヒークラフトを製造して7月3日に販売を開始する。障害者の多様な就労機会の創出や地域経済活性化の促進も目指し、地域循環共生圏創出の新たなモデル事例として取り組む。

エコアルフは、2020年から抽出後のコーヒーのかすを生地の原料として再利用した「KATMANDU(カトマンドゥ)マルチジャケット」を日本で販売している。それ以後、複数企業からコーヒー豆の有効活用に関する問い合わせを受けていることが、今回のプロジェクト第一弾のテーマとして廃棄コーヒー豆のアップサイクルを選んだ理由となったことを明らかにしている。

UPCYCLE Bの第一弾の概要は、以下のとおりだ。

  • 廃棄されていたコーヒー豆を回収:コーヒー豆焙煎専門店・株式会社縁の木(※1)と台東区蔵前の焙煎店2店舗において、テスト焙煎や店頭での販売期間管理のため飲まれずに廃棄されていたコーヒー豆を回収し、コーヒークラフト「蔵前BLACK」の原料にする
  • コーヒー豆の回収や保管作業:「つなぐ台東第三福祉作業所」に委託し、知的障害者の方が実施する
  • クラフトビール製造:コーヒークラフト「蔵前BLACK」はスタウトビールを醸造した後に抽出したコーヒーを加え、アルコール度数4.5%に仕上げる。アサヒグループのクラフトビール開発拠点である「東京隅田川ブルーイング」で製造し、7月3日から併設店舗「TOKYO隅田川ブルーイング」などアサヒグループの外食店舗8店舗において数量限定で販売する
  • セット販売:店舗では「ECOALF」のブランドメッセージをデザインした「UPCYCLE B 森のタンブラー」(※2)とセット販売も行う
  • 価格:「蔵前BLACK」単品は700円(税込み)、「蔵前BLACK」と「UPCYCLE B 森のタンブラー」のセットは1,880円(税込み)。「UPCYCLE B 森のタンブラー」単品は1,100円(税込み)
  • イベント実施:7月10日、同プロジェクト発足に関わった企業・タレント・学生などが集結し、サステナブルなライフスタイルを啓発する「ACT NOW!」イベントを実施する
  • 普及啓発活動:エコアルフは従来のビール愛好者だけでなくエシカル消費を選択する層に向けて、「蔵前BLACK」の普及啓発活動を実施する

なお、同プロジェクト名の「B」はBeerと、「ECOALF」のブランドメッセージ「Because there is no planet B(第2の地球はないのだから)」、Band(団結する)を由来としている。同プロジェクトは第二弾以降の開発も予定している。今後両社は、事業者の連携をさらに強化し、取り組み地域・商品販売経路・取扱商品の拡大も検討して、衣食分野の協働で実現するサステナブルなライフスタイルを消費者の購買意欲に働きかけていく意向だ。

「蔵前BLACK」販売店舗名と住所は下記のとおり。

  • TOKYO隅田川ブルーイング(東京都墨田区吾妻橋1-23-36 アネックスビル2F)
  • TOKYO隅田川ブルーイング バルstyle(東京都墨田区吾妻橋1-23-36 アネックスビル1F)
  • フラムドール(東京都墨田区吾妻橋1-23-1 スーパードライホール1・2・3F)
  • 展望喫茶アサヒスカイルーム(東京都墨田区吾妻橋1-23-1 アサヒグループ本社ビル 22F)
  • スーパードライ新宿(東京都新宿区新宿3-36-12 杉忠ビル1F)
  • お茶の水テラス SUPER “DRY”(東京都千代田区神田駿河台2-1-20 お茶の水ユニオンビル1F)
  • BEER&SPICE SUPER “DRY”KITTE丸の内店(東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワーKITTE 1F)
  • スーパードライ京都(京都市中京区河原町通三条下ル大黒町50 アサヒビール京都三条ビル1・2・3F)

アサヒグループ

グループ理念「Asahi Group Philosophy」において、行動指針の一つとして「事業を通じた持続可能な社会への貢献」を掲げている。「自然の恵み」を享受しながら事業を営む企業として、環境課題に対し積極的な取り組みを推進していくことで「自然の恵み」を次世代に引き継ぐことを目指している。アップサイクルを通して新たな価値を提案することで、持続可能な社会の実現に貢献しアサヒグループが掲げる「楽しい生活文化の創造」を目標としている。これまでにも同社は、国産のじゃがいもでん粉を原料とする食べられるコップ「もぐカップ」の開発・展開や、麦わら由来のストローを使ったプロジェクトへの参画を発表している。

エコアルフ

株式会社三陽商会が2020年3月より日本で展開を開始したスペイン発のサステナブルファッションブランドで、全アイテムを再生素材や環境負荷の低い天然素材のみで製造・販売している。これまで、ペットボトル・タイヤ・漁網などを独自技術でリサイクルした生地を300種類以上開発してきた。海洋ゴミを回収・分別・再生して、製品としての新たな命を与えるプロジェクト「UPCYCLING THE OCEANS(UTO、アップサイクリング ジ オーシャンズ)」を推進するなど、「地球環境を守るために服をつくる」という発想を持つ。

※1 株式会社縁の木:台東区のコーヒー豆焙煎専門店で、生豆を焙煎し周辺のカフェ・オフィスへの販売やオンライン販売を展開している。蔵前地区の事業者と連携し、コーヒーかすをアップサイクルする「KURAMAEモデル」を立案・運営し、第一弾として有機質肥料の製造に関わっている。コーヒーかすの回収・加工は地域の福祉作業所に委託するなど、持続可能な社会の実現に向けて活動している
※2 森のタンブラー:「使い捨て」という消費行動自体の変革を目標とし、使い捨てない飲料容器としてアサヒビール株式会社とパナソニック株式会社が開発したエコカップ。UPCYCLE B 森のタンブラーは、アサヒビールモルト株式会社の副産物である焙煎麦芽粉末を55%含有した「森のタンブラー MUGI」を使用している

【プレスリリース】
次世代に向けたサステナブルなライフスタイルを提案。「UPCYCLE B」プロジェクトを展開(アサヒグループホールディングス株式会社)
「ECOALF」がアサヒグループと衣・食分野でコラボレーション。サステナブルな「UPCYCLE B」プロジェクトを展開。(株式会社三陽商会)
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*記事中の画像の出典:アサヒグループホールディングス株式会社