サーキュラーエコノミーを基軸とした街づくりを進める方針を2021年秋に打ち出していた愛知県蒲郡市は3月28日、同市内で開催した「サーキュラーエコノミーシンポジウム -サーキュラーシティを目指して- 」の中で、向こう10年間の市総合計画の実効性を高める取り組みとして「サーキュラーシティ蒲郡」ビジョンならびに7つの重点分野を発表した。

サーキュラーエコノミーでシビックプライドを醸成、ウェルビーイングの実現へ

それによると、同市はサーキュラーシティのビジョンを「つながる 交わる 広がる サーキュラーシティ蒲郡」と設定。サーキュラーシティの形成を通じてシビックプライドを醸成し、蒲郡市に関わるすべての人たちのウェルビーイングの実現を目指すとした。

また、同ビジョンでの7つの重点分野として「教育」「消費」「健康」「食」「観光」「交通」「ものづくり」と定めて、サーキュラーエコノミー型製品・サービスの優先購入や製品の長期使用の推進、サステナブルな産業創出やサーキュラーエコノミーの事業化に向けた企業マッチング、地産地消、サステナブルツーリズム、次世代育成など、市内の主要産業や一般市民にとってのウェルビーイングの実現を意識したテーマに重点的に取り組むことを表明した。

サーキュラーシティ蒲郡ビジョンと重点分野(提供:蒲郡市)

サーキュラーシティ蒲郡ビジョンを表明した鈴木寿明市長は「10年後の将来都市像を定めた第五次蒲郡市総合計画策定の実効性を高めるために、サーキュラーエコノミーに取り組み始めた。サーキュラーエコノミーの実現には個人、地域、企業、行政さまざまなつながりが必要で、『つながり合い』は第五次蒲郡市総合計画のキーワードでもある。蒲郡市からサーキュラーエコノミーを日本に、世界に発信し、SDGsの理念の実現と地球温暖化の解決の糸口にしていきたい」などと意気込みを述べた。

2022年4月からサーキュラーシティ推進室が発足

蒲郡市は、経済・社会・環境の3つのバランスを最適化し、市民および市のステークホルダーがウェルビーイングを実感するための手段として、2021年9月からサーキュラーエコノミープロジェクトを始動。同年11月に「サーキュラーシティ」を目指していくことを表明し、2025年大阪・関西万博の共創チャレンジとしても登録した。

その後、2022年1月に市内の企業や経済団体をはじめとするステークホルダーによる企画チームワークショップを実施した上で、重点分野の設定、発表に至った。新年度の2022年4月1日付でサーキュラーシティ推進室を発足させ、サーキュラービジョンの実現に向けて取り組みを加速させるとしている。

*冒頭の画像は、同シンポジウム内で発表する鈴木寿明市長

【参考サイト】
サーキュラーシティ蒲郡 特設サイト

【関連記事】
愛知県蒲郡市、サーキュラーシティを目指すと表明(2021年12月2日 Circular Economy Hub)