英国に本拠を置く廃棄物管理認可協会(CIWM)は、サーキュラーエコノミーに特化したバーチャルイベント「サーキュラーエコノミーフェスティバル(The Festival of Circular Economy)」を2021年4月20・21日に開催することを発表した。
サステナビリティの先駆者とされるWalter Stahel博士が同フェスティバル開会の基調講演を行い、天然資源の価値を最大限に引き出すための新たなビジョンを提示する予定だ。同博士は、1982年に発表した論文でサーキュラーエコノミーの概念を考案したと考えられている。加えて、各国政府・地方自治体や、多国籍企業からスタートアップまであらゆる規模の組織から登壇者が参加する。現在、登壇を予定しているのは、米マイクロソフトや酒造業の英Diageo(ディアジオ)、英エレン・マッカーサー財団やデニムブランドの蘭Mud Jeansなどである。
(出典:廃棄物管理認可協会)
世界で以下のような取り組みが実施され、サーキュラーエコノミーとより広範囲のサステナビリティイニシアチブの転換期であると多くの人がみている”いま”、CIWMは同フェスティバルを開催するとしている。
- 政治面では、米バイデン政権と2021年11月に英グラスゴーで開催されるCOP26が、環境問題への世界のアプローチを再構築する取り組みを推進している
- 経済面では、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延を受け、世界の多くの国や企業が「より良い復興」に向けた計画を実行している
同フェスティバルは、米国に本拠を置くNPOのサーキュラーエコノミークラブ、エレン・マッカーサー財団、慈善団体の英WRAP、英の法定機関LWARB(London Waste and Recycling Board)や、オーストリアに本拠を置くNPOの国際固形廃棄物協会(ISWA)などを含む多くの組織が支援している。
「サーキュラーエコノミーへの移行により、以下のような分野に大きな影響を与えられる」というサーキュラーエコノミー提唱者による指摘をCIWMは発表した。
- 既存材料の再利用とリサイクルを増やすことで、大量のエネルギーを消費する新規原材料の生産が減り、ネットゼロエミッションへの動きが加速する
- 世界の海洋プラスチック汚染・貴重な資源の埋め立て・土地利用の変化による生物多様性損失などは、いずれもサーキュラーエコノミーが解決策となりうる地球規模の問題である
なお、同フェスティバルでは全体会議や分科会、対話形式の展示エリアや交流のためのメッセージ・チャット機能などが用意されている。詳細および登録はこちらから。
CIWMのSarah Poulter理事長は、「当フェスティバルは、世界中のサーキュラーエコノミープロジェクトで実施された素晴らしい取り組みをたたえるものです。大小さまざまな組織が、これらのプロジェクトの規模を拡大し、商品やサービスの普及率が一気に跳ね上がる分岐点を達成する機会を見いだせるでしょう」と述べている。
Stahel博士は、「循環型材料が商品化されたあと、今日廃棄物を処理している『リサイクル業者』と『廃棄物管理者』が、部品と分子の『価値プラットフォーム』の管理者になる方法を示せれば、それは私にとって名誉なことです」と語っている。
CIWMのマーケティング部長であるPaul Sloggett氏は、「サーキュラーエコノミーは本質的に共同プロジェクトです。当フェスティバルはその精神に基づいて開催され、サーキュラーエコノミーの分野で積極的に取り組むすべての人を代表することを目指しています」と話している。
【プレスリリース】Circular economy pioneer to speak at new Festival of Circular Economy
【参照サイト】The Festival of Circular Economy