ザ コカ・コーラ カンパニーは3月22~24日に開催された2023年国連水会議において、同社の2030年水資源保全戦略の重要目標を発表した。戦略は、同社の事業・流域・地域社会において水資源を保全することを目的とする。
同戦略で重点的に取り組む3つの目標は以下のとおり。
- 2030年までに、「リーダーシップロケーション」として特定した175カ所の施設において、水を100%循環利用(リジェネラティブに使用)する
- 2030年までに、パートナーと協力して同社の事業と農産物のサプライチェーンに最も重要な60流域の健全性を向上させる
- 2021年から2030年までに、合計2兆リットルの水を自然と地域社会に還元する
加えて、同社は国連グローバル・コンパクトThe CEO Water Mandateのイニシアチブ「Business Leaders’ Open Call to Accelerate Action on Water」に参加することを発表した。
イニシアチブにおいて、同社はサプライチェーンを含む事業全体で水環境のレジリエンスを実現し、2030年までに100カ所以上の脆弱な水域に好影響を与えることを目指し、パートナーと共同で取り組む。
なお、The Coca-Cola Foundationは先日、水資源問題や気候変動の影響を受けている地域社会においてソリューションを拡大するべく、NPOの米Imagine H20に125万ドルの補助金を提供した。
ザ コカ・コーラ カンパニーは、上記の目標の達成に向けて次のような取り組みを進めている。
- 飲料製造に使用する水の削減・再利用・リサイクル・水源涵養活動を通じて、リジェネラティブに水を使用する
- 地域社会が飲み水・下水処理・衛生設備を利用でき、水に関連した危機に備え、早期回復を目指し、特に女性を支援する
- 優先事業流域で、共通の課題(水の量と質・生態系・インフラ・管理)を改善するべく、流域管理計画を設定・実施する
- 「水持続可能性」を維持する原料を調達し、自然を重視したソリューションを支援する
- サプライヤーと協力し、原料となる植物の栽培に使用する水の量を削減する
- 政府・NGO・地域社会・他社と協働し、資源を共有して、イノベーションと科学的視点を拡大・前進させる活動を推進する
- 優れた水管理と水政策を提唱し、顧客と消費者を含む全ステークホルダーに、責任ある水利用への取り組みを推奨する
同社は、世界銀行が主導するプラットフォームのWater Resources Group、CEO Water Mandate、NPOの米Global Water Challengeと米The Nature Conservancy、世界自然保護基金(WWF)を含むさまざまなパートナーと引き続き協働していく意向だ。
【プレスリリース】Coca Cola Shares Key Goals Detailing 2030 Water Security Strategy
【参照サイト】2023年国連水会議:プレスキットから【5つのテーマ領域に関する事実と数字】
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