循環型社会に向けて不要品の回収や再流通のインフラを構築する「循環商社」の株式会社ECOMMITは5月15日、「サステナビリティ消費の動向調査」の結果を発表した。調査は、同社が運営する資源循環サービス「PASSTO(パスト)」の展開店舗であるイオンモール佐賀大和店(佐賀市)において、衣類回収ボックス利用者を対象に実施。2023年12月28日~2024年1月14日の調査期間で、155件の回答を得た。

調査の結果、衣類回収ボックス利用者の73%が40~60代の女性で、61%が「環境に貢献できること」を理由に衣類回収ボックスを利用。さらに、43%が衣類回収ボックスの利用を目的に来館していたことがわかった。また、衣類を手放す手段として、環境省が実施した調査に比べて廃棄する割合が少なく、 リユース(再販売、寄付、譲渡)や回収サービス利用の割合が多いこともわかった。

一方、衣服の入手手段として「新品で購入する」と回答したのは80%。 理由として「古着はサイズが合わない・見つけられない」「(新品は)ネットで手軽に購入できるから」といった声もあったほか、「新品を購入して長く使うため」といった声もあった。

また「これまでに回収ボックスに投函することを目的に商業施設に来館したことはありますか」という質問に、43%が「ある」「よくある」と回答。ボックス利用が設置店舗への来館動機になっていることがわかった。 70%が年間の衣類回収ボックスを2回以上利用。利用頻度の平均は、3.3回/年だったという。

環境省が発表した「ファッションと環境」の調査結果と今回の調査結果を同社が比較したところ、衣類回収ボックスの利用者1人あたり(年間)の衣服購入枚数は8枚少なく、逆に手放す枚数は6枚多かったという。また、衣服を手放す手段として、環境省調査では「廃棄」が68%だったのに対し、今回の調査では、廃棄は25%にとどまった。

調査結果について、同社は、地域や回答者属性が限定されるものの、「Z世代はサステナブルな行動に積極的」という従来のイメージに対し、40代以上の環境貢献意識が高いこと、またボックスの利用によって「無駄に買わない」という意識が醸成されつつあることに注目。資源循環サービスPASSTOの提供を通じ、引き続き生活者がより気軽に資源循環に参加できる場とサーキュラーエコノミーの実現を目指す考え。

【プレスリリース】<サステナビリティ消費の動向調査>衣類回収ボックスを「環境に貢献できること」を理由に利用(61%)衣類回収ボックス利用のために店舗へ来館(43%)
【参照記事】資源循環サービス「PASSTO」公式サイト
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(※画像の出典:株式会社ECOMMIT)