株式会社ファーメンステーションは、りんごの搾りかすを発酵させて作った除菌スプレー「リンゴだったサニタイザー」を開発し、クラウドファンディング(Makuake)を2023年5月21日まで実施している。
研究開発型スタートアップである同社は、独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる社会構築を目指している。今回、同社が発表した内容は以下のとおり。
「リンゴだったサニタイザー」は、りんごジュースやシードルの製造工程でどうしても生じる搾りかすを回収し、独自技術で発酵させたエタノールを使用している。同製品1本(200ml)にりんご約1.3個分の搾りかすが使われており、廃棄削減に貢献する。香料やその他の添加物を含まず、エタノールと水のみから作られており、さまざまな場面の除菌に使用できる。
同製品は、株式会社ファーメンステーションが推進する循環型モデルのもとに開発された。同社は、食品廃棄を減らし食品の循環を促進するべく、規格外のりんごを使用してエタノールを製造し、製造工程で出る発酵かすを牛や鶏の飼料にすることで、循環させている。
クラウドファンディングでは「リンゴだったサニタイザー」本体のほかに、詰替用ボトル・携帯用スプレー・りんごジュース・同社の取り組みを紹介する循環BOOKを提供する。詰替用ボトルは再生PETを使用し、ヘッドのスプレー部分は詰替用ボトルに付け替えることで繰り返し使用できる。クラウドファンディングでは、すでに目標金額を達成している。
2009年に創業した株式会社ファーメンステーションは、未利用資源を発酵・蒸留してエタノールおよび発酵原料を製造し、化粧品原料などのバイオマス由来の高付加価値原料市場を開拓している。残った発酵粕は化粧品の原料や鶏・牛の餌に活用し、鶏糞や牛糞は畑や田んぼの肥料にする循環型モデルを構築。休耕田や遊休水田を再生・利用する点や、企業の食関連工場から排出される残さなどの食品廃棄物に付加価値をつける点を特徴とする。主力商品のライスエタノールは、USDA認証、エコサートCOSMOS認証を、同社自体もB Corp認証を取得した。原料生産のほか、OEM・ODM・ノベルティ制作、大手企業との事業共創も手掛け、国内外の課題解決に取り組んでいる。
【プレスリリース】発酵の力で未利用資源を価値あるものに変える。 ファーメンステーションが「リンゴだったサニタイザー」をクラウドファンディングで先行販売。
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*冒頭の画像の出典:株式会社ファーメンステーション