食に関する情報通信事業を展開する株式会社hakken(以下、hakken)は4月14日、熊本県阿蘇郡⾼森町・阿蘇農業協同組合・株式会社タイミー・肥銀オフィスビジネス株式会社と提携協定を締結した。同協定の内容は以下のとおりだ。

  • 協定名:持続可能な消費と生産プロジェクトによるフードロス削減を通じた高森町農業活性化事業実施に関する協定
  • 実施期間:2021年4月14日~2023年3月31日
  • 協同予定事業:乾燥野菜プロジェクトに関する事業・地域農業の活性化と新規農産品開発に関する事業・町有遊休施設の利活⽤に関する事業・中⻑期間における農業の労働⼒、⼈材のマッチングに関する事業・フードロス削減に関する広報、教育に関する事業・その他同事業の趣旨を達成するために必要な事業

連携協定式の様子(出典:株式会社hakken)

乾燥廃棄野菜事業の目的は、フードロスの削減・地⽅固有の課題解決・相対的貧困の解消・サステナブルな消費市場構築であるとhakkenは発表している。同事業は、廃棄されている野菜を⽣産地で乾燥・加⼯する分散⽣産システムを⽤いて、価値ゼロからのアップサイクルによる6次化農産業に挑戦し、消費者を巻き込む市場形成で新しい時代の⾷品⼩売を実現するとhakkenはみている。同事業で使用する温⾵乾燥は簡単な加⼯で野菜の劣化や腐敗を遅らせ、消費期限は従来の⽣鮮野菜の10〜25倍程度延びることから、⽣産過程での廃棄コスト削減・物流のロス減少と効率化・⼩売の仕⼊れ最適化・家庭での保管期限延⻑など、各工程でロスを抑制するとしている。hakkenは、同事業の長所として以下の4つを示した。

  • 企業や投資家にとって、地域との連携やSDGsへの取り組みになる
  • ⽣産者にとって、これまで廃棄されていた野菜が収益になる
  • 地⽅⾃治体にとって、循環型地域活性化になる
  • 消費者にとって、健康増進や調理時間の短縮になる

(出典:株式会社hakken)

商品開発においては、ブランディングプランナー・マーケターなど各分野で活躍しているメンバーが参加しており、hakkenはAjinomoto Group Acceleratorの採択企業としても、味の素株式会社と共に安全性に配慮した製品の開発を進めているとしている。現在、最初の商品として、普段の⾷事に気軽に野菜を⾜せる具材商品開発と、乾燥野菜をオイル漬けにした⾷べる調味料の2種類を開発している。2021年秋の限定販売、冬には公式に市場流通を予定しており、専⽤販売オンラインページを開設するほか、順次取扱い店を募集する意向だ。

hakkenは広島でも乾燥廃棄野菜事業を開始しており、広島県安芸⾼⽥市に拠点を開設した。今後も同社は、拠点を展開して乾燥廃棄野菜を全国に広め、地域固有の課題の解決を目指していく構えだ。なお、関⼼のある⾃治体や事業の活動要員も募集している。

【プレスリリース】株式会社hakkenが、乾燥廃棄野菜事業で⾼森町他3社とフードロス 削減に挑む
【プレスリリース】当行グループ会社による高森町等との連携協定締結について~持続可能な消費と生産プロジェクトによるフードロス削減を通じた農業活性化事業~