スペインに本拠を置く電力大手イベルドローラはこのほど、産業廃棄物管理や土壌汚染浄化などを手がけるFCC Servicios Medio Ambiente(本拠スペイン)傘下のFCC Ámbitoと共同で、風力タービンブレード(風車の羽根)をはじめとする部品をリサイクルするイニシアチブEnergyLOOPを立ち上げた。

業界全体の中長期的な課題である部品リサイクルに取り組み、同国のエネルギーおよびサーキュラーエコノミー移行に貢献したい考えだ。

同イニシアチブは、イベルドローラのスタートアップ企業支援プログラム「PERSEO(※)」を通じて設立され、風力タービン大手のシーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(本拠スペイン)が支援している。イベルドローラによると、スペインの風力発電所の53%で同社製の風力タービンが使用されている。

タービンブレードはリサイクルが難しいため、寿命を迎えたものはほとんど埋め立てられていることが、同イニシアチブ設立の背景だ。2030年には、欧州で年間約5700基の風力タービンが廃棄されるとイベルドローラは試算している。

こうしたなか、タービンブレードを持続可能な方法で処理することが大きな課題となっており、複数の業界プレーヤーがリサイクル・リユースの可能性を探り、サーキュラーエコノミーを推進する取り組みを強化している。

例としては、デンマークに本拠を置くORSTEDが2021年6月、陸上・洋上風力発電所で廃棄するタービンブレードをすべてリユース・リサイクル・回収する取り組みを開始したことがある。米ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下のGEリニューアブルエナジーや、デンマークの風力タービン大手べスタスなども、同様の取り組みを推進している。

※ PERSEO:イベルドローラのスタートアップ企業支援プログラム。電力業界におけるサステナビリティに特化したスタートアップ企業への投資・戦略的提携・実証プログラムの推進などを通じ、革新的な技術や事業モデルを構築するスタートアップ企業の支援を目指している

【参照サイト】Iberdrola and FCC launch EnergyLOOP to lead the way in wind turbine blade recycling
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※本記事は、ハーチ株式会社が運営する金融投資メディア「HEDGE GUIDE」の「イベルドローラ、風力タービンブレードをリサイクル化。サーキュラーエコノミー推進」より転載された記事です