株式会社インフォバーンは12月9日、経済産業省が主催し、同社が事務局を務める「みらいのファッション人材育成プログラム」の最終成果発表会を、2025年1月17日(京都)および2月1日(東京)に開催すると発表した。環境に配慮したファッション産業の未来を築くため、次世代のファッションクリエイターの育成を目的としている。
本プログラムは、経済産業省の補助事業として2024年度に開始。環境負荷低減、デジタル技術活用、地域資源の再利用など、様々な課題をファッション産業が抱える中、持続可能なサプライチェーンを構築するため、特にアート・デジタル・ライフサイクル分野で活躍する人材の育成を目指している。
プログラムに採択された5組の事業者は、1年間にわたり教育機会や事業化支援を受け、さまざまな課題解決に取り組んでいる。
- 株式会社メタクロシスは、3Dモデルを活用したデジタルマネキン「Auin」を開発し、小売業界での利用を目指す。「Auin」を用いた演出例の制作・発信、デモアプリの作成、3Dプリントを活用したマネキン製作に取り組む。
- 株式会社ワコールは、立体物を直接的に作製する独自技法「立体メルトブロー法」を用いて、単一素材のファッションアイテムを作製。他社との協力も視野に、技術の社会課題解決への応用を探る。
- JR西日本SC開発株式会社は、商業施設を拠点に衣料品の回収・再活用システムを設計し、サーキュラーエコノミー型社会モデルを構築。サーキュラーエコノミーに関する、生活者やテナント事業者の意識醸成に取り組む。
- Synflux株式会社は、ゼロウェイスト実現に向けて、同社の環境配慮事業にライフサイクルアセスメント(LCA)評価を導入。得られた知見を国内のファッション事業従事者と共有し、ファッション産業の廃棄問題解決に取り組む。
- MAI SUZKIは、伝統工芸「組子」を3Dモデル化し、デジタルアーカイブをすることで技術を保存。またデジタルファブリケーションの活用により新たな「組子」の製造方法を見出し、再構築可能なウェアラブル素地を開発する。
京都と東京で開催される発表会では、持続可能なサプライチェーンへのアップデートにつながる事業創出に向けて、各事業者が進めてきた成果やプロトタイプを展示。来場者は、各事業者と直接コミュニケーションを取ることができる。
【プレスリリース】インフォバーンが事務局を務める、経済産業省主催「みらいのファッション人材育成プログラム」最終成果発表会を開催
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HEDGE GUIDE 編集部 サーキュラーエコノミーチーム
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