兵庫県神戸市は1月15日、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(Strategic Innovation Promotion Program、以下SIP)の取り組みとして、使用済みプラスチックから自動車部品へのリサイクルを目指し、PP(ポリプロピレン)資源の回収を市内2ケ所の資源回収ステーションで開始したことを発表した。
1月16日から、「ふたば資源回収ステーション」(神戸市長田区)と「あづま資源回収ステーション」(神戸市中央区)で、PP回収ボックスを設置、回収を行う。回収したPP資源は、自動車の電気系統のコネクタ部品にリサイクルするための実証に利用される。回収対象は、豆腐容器、ゼリー容器、冷凍食品トレー、タッパー容器、ペットボトルキャップ以外のキャップなど。
同市は、利用目的を明確に定めた上でリサイクルに適したプラスチック品目を品目別に集めることで、より高品質なリサイクルを進める「まわり続けるリサイクル」を推進中。資源回収ステーションの開設を進めている。回収品目ごとに「何にリサイクルされるのか」「どのように分別すればよいか」を見える化することで、循環への市民の意識を高め、高品質な資源の回収を目指す。
開館時間中はいつでも資源が出せる。また、ごみ出しのついでに、友人や知り合いとおしゃべりを楽しめる交流スペースも設けており、ごみ出しをきっかけに地域交流が生まれるコミュニティ拠点としての役割も持つ。同市によると、「ごみ出しが楽しくなった」「いつでも出せて便利。容器包装プラスチックの指定袋を買わなくていい」「外出する機会が増えた」など、好評だという。
本取り組みは、内閣府が科学技術イノベーション実現のために創設した国のプロジェクトであるSIPに基づいている。総合科学技術・イノベーション会議が司令塔となり、科学技術イノベーションを実現するために、より横断的な取り組みを促進する目的で、2014年度に内閣府に創設された。2023年度からは第3期として、エネルギーやロボティクス、スマートシティなど14の課題に取り組んでいる。
第3期の課題の一つとして挙げられている、「サーキュラーエコノミーシステムの構築」の研究開発テーマの一つである、「自治体協力回収プラスチックの分別・供給システムの確立」(採択事業者:アミタホールディングス株式会社)のプログラムに、同ステーションが活用される。
【プレスリリース】自動車部品へのリサイクルを目指したプラスチック資源の回収をスタートします
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【参照記事】戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)
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※画像の出展:神戸市