日本環境設計株式会社は10月26日、同社が運営協力するNIKKEI Circular Economy Week特別フォーラムのなかで、BRING BOTTLEコンソーシアム設立を発表した。同コンソーシアムは、PETボトルの国内完全循環を目指す企業間連携を目的とし、認知拡大や企業横断的アクションを主な活動内容とする。飲料メーカーや包装材メーカー、リサイクル事業者、自治体など、主旨に賛同するメンバーの募集を開始した。
設立の背景には、日本の高いPETボトル回収率(2018年度91.5%*)に比べて、ボトルtoボトル(使用済みPETボトルからPETボトルへの再生)率は約12%*(2018年度)と、石油由来のバージンプラスチックに頼っている現状がある。また、2021年1月から発効となるバーゼル条約改正附属書など、廃プラの海外輸出規制のさらなる厳格化により、世界的にプラスチックの国内循環が急務となっている。
同社は、子会社のペットリファインテクノロジー株式会社の再生樹脂工場を2021年夏に再稼働し、年間22,000トンのPETボトル向けリサイクルPET樹脂の商用生産を開始することをすでに決定している。同フォーラムの協力企業として、ビジョン実現に向けた同社の役割を再確認し、活動を加速させていきたい構えだ。
同社代表取締役の髙尾正樹氏はフォーラムのなかで、「とにかく燃やさないことが重要です。何度も循環することの意味を共有して、 CO2を排出しない仕組みを作っていきます」と述べ、プラスチック国内完全循環の重要性を強調し、コンソーシアムの開始を発表した。
日本のPETボトル回収率は世界屈指の実績を誇る。メカニカル・ケミカルリサイクル技術の進歩と相まって、ボトルtoボトル率向上への取り組みが活発化してきた。PETボトルの水平リサイクルが他のプラスチック循環にどう波及するかも含め、同コンソーシアムが果たす役割について注目していく。
【参照】BRING BOTTLE
【参照】ペットボトルの完全循環を目指し、NIKKEI CIRCULAR ECONOMY WEEK 特別フォーラム「ペットボトル国内完全循環への挑戦」に協力いたします