鹿児島県大崎町、一般社団法人大崎町SDGs推進協議会、鹿児島大学大学院理工学研究科工学専攻建築学プログラム、株式会社LIXILは2024年6月25日、「住宅改修における資源循環実証調査事業」に関する協定を締結した。この事業は、大崎町のリサイクルに関する知見を活かし、空き家問題の解決に資源循環を取り入れるものである。実証調査では、空き家の改修や解体時に排出される資源のリサイクル率向上と環境負荷評価を行う。
日本全国で人口減少が続き、空き家は増加傾向にある。空き家問題への取り組みは各自治体に委ねられているが、空き家の解体時に発生する廃材の処理など様々な課題がある。
大崎町は、過去15回リサイクル率日本一を達成。また25年以上に渡り、「大崎リサイクルシステム」を通じて、焼却施設に頼らず80%以上の廃棄物をリサイクルする資源循環の仕組み作りに取り組んできた。
大崎町は、長年培ったリサイクルに関する知見を活かし、資源循環を糸口に空き家問題の解決を図ることができると考え、産官学連携による実証調査を行うに至った。
本協定では、空き家を「資源」として多角的に評価し、資源循環の観点で空き家の価値を再定義することを目的としている。
具体的には、空き家を継続的に使用することを前提に、導入される資源と排出される廃棄物を調査し、リサイクルコストと環境負荷を検証。空き家を改修利用するメリットを新築等と比較し検証を行う。
また、空き家を解体し廃材処理する工程を調査し、廃材のリユース・リサイクル率向上に関する可能性検証も行う予定。空き家を資源と捉えることで、解体プロセスを資源循環のエコシステムの中に位置づけていく計画だ。
2024年6月から空き家の解体等に関する調査研究を行い、10月から空家改修工事を実施。2025年春に改修物件のお披露目を予定している。
空き家の価値を再定義することで、リユース・リサイクルプロセスを地域に根付かせるモデルケースとなることが期待される。
【プレスリリース】鹿児島県大崎町、大崎町SDGs推進協議会、鹿児島大学、LIXILが『住宅改修における資源循環実証調査事業』に関する協定を締結
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(※画像の出典:一般社団法人大崎町SDGs推進協議会)