東京を中心に廃棄物の収集運搬事業を展開している白井グループ株式会社(以下、白井グループ)はこのほど、株式会社ダイナックス都市環境研究所(以下、ダイナックス都市環境研究所)と共同でICT技術を活用した資源管理に取り組むと発表した。

廃棄物処理・リサイクルの現場では作業・管理の合理化や資源循環の見える化が課題となっていることから、RFIDやブロックチェーンの活用などにより、これらの課題を解決し資源循環促進を目指すとしている。同事業の取り組み内容は、以下である。

  1. RFIDを用いた廃棄物の非接触一括照合技術
  2. 有価物の場合も含めて廃棄物の流れをトレースするブロックチェーン技術
  3. 大規模事業所で義務付けられている年度ごとの実績報告書の自動作成技術
  4. 脱炭素を目指す循環型ケミカルリサイクルのあり方と供給原料調整技術の検討

「革新的IoT型DX管理による資源循環の見える化促進事業」の全体像(出典:白井グループ株式会社)

令和3年度の東京都モデル事業として実施する同事業では、ダイナックス都市環境研究所が事業全体を統括し、白井グループが個々の事業を展開する。これまでも白井グループは、デジタル技術を活用した下記をはじめとする取り組みを実施してきた。

  • 2014年、デジタル経営基盤として多数の廃棄物収集車両の回収ルートを最適化する「AI配車システム」を実稼働
  • 2020年度から、廃棄物処理受付を一貫して実施する「デジタル資源循環」を実用化

同事業において、これらの技術と知見を活用し、脱炭素・低コスト・トレース型の資源循環の促進を図り、2022年4月施行の「プラスチック資源循環促進法」を見据えて全体を俯瞰した合理的な資源循環スキームの構築を目指す。今後、排出事業者、収集運搬・処分企業、ケミカルリサイクル予定事業者、商社、製造業、小売業との連携を強化していくとともに、パートナー企業も募っていく意向だ。

現在、作業・管理の合理化や資源循環の見える化が多くの分野で求められており、DXを活用したさまざまな取り組みが進められている。廃棄物収集におけるデジタル活用に積極的に取り組んできた白井グループがダイナックス都市環境研究所と共同実施する、すべてのごみの包括的な資源循環を目指す同事業の展開が期待される。

【プレスリリース】白井グループが革新的IoT型DX管理による資源循環促進事業に参画